惹かれた品種 三色ラメ
“三色ラメ幹之”は、岡山県『静楽庵』がリリースした品種で、朱赤、黒、白の体にラメが散らばる美しい姿は多くの愛好家を魅了した。こうした表現は無限とも言える。
たとえ、くっきりとした親のペアを使って子を採ったとしても、その親そのままの姿の子を得られることはないと言える。もちろん近い表現は出るだろうが、同じということはあり得ないだろう。親とは似ても似つかない表現の子もたくさん出る。しかし、その中から自分好みの姿を探し求めるという楽しさもある。なにしろ数を採ることで、その確率をあげていってほしい。
三色ラメの作り手としてよくお伺いする岡山県の坂出和彦氏の個体たち
代名詞である墨の濃い個体から頭赤、錦鯉を思わせる三色柄やヒレに赤の入るワンポイントのある個体など、見せていただく度に魅力的な個体に出会える。
こちらは神奈川県の植木伸也氏の三色ラメたち
やはりその表現は多岐に及ぶ。朱の濃さ、墨の濃さや際の明瞭さ、ラメの入り方、そしてそれぞれが組合わさることでの表現力は多彩である。
それぞれの作り手により、好みは変わるし、見る人によっては違う表現の個体の方がよいと感じることもあるかもしれない。この三色ラメ専門のお二方にしても、毎年、よりよくすることを意識して子を採られ、育成されている。たとえ気に入った個体が出ても、次はそれを越すことを意識され、まさに終わりのないゴールを目指す奥深さのある品種である。