惹かれた品種”夜桜“の進化
垂水政治氏によって、ラメを増やす方向で選別され、作出された“夜桜”。当初は、青黒い体色に鮮やかなラメが全身に入る姿であった。
『うなとろふぁ~む』でオリジナルの姿を意識しながら累代されている“夜桜”
累代されているうちに、青黒い体色にラメが特徴の“夜桜”であったが、黄斑が入る表現から全身が黄色みを帯びる別品種のような姿に進化している。
“夜桜ゴールド”と呼ばれるタイプ 宮本浩克氏繁殖個体
鮮やかな黄色に染まる体にラメが輝く姿は、別品種のようであった。
その後、再び宮本さんのハウスを訪れると、さらなる“夜桜”を見せていただけた。
“夜桜オレンジ”と呼ばれていたもので、濃いオレンジに全身が染められていた。
“夜桜”と兄弟魚の関係にある“女雛”は柿色が特徴であるが、それとはまた違ったオレンジの色合いに仕上げられていた。
中には部分的にオレンジが抜けて、三色のような模様を見せる個体もおり、目を惹かれた。
さらに驚かされた個体もいた。
三色柄のような表現を持ち、さらには各ヒレにもオレンジが乗っている。最初に見た時には、まさかこれが“夜桜”とは思えないものであった。
しかし、この表現が得られるのは宮本さん曰く「3000匹に1匹」ほどとのこと。なかなか痺れる確率である。それでも宮本さんの繁殖により、同じ表現の個体がすでに数匹集められており、このタイプでの繁殖も始まっている。
元の姿からは想像できない姿に変化している“夜桜”であるが、この進化により、新たな表現が産み出されている。この先も目が離せない品種のひとつである。