2020年5月、『静楽庵』から遂にリリースされる “令和シリーズ”
コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出され、取材が不可欠な『メダカ百華第9号』、『メダカ百華第10号』の制作が遅れがちだったのだが、当初の「不要不急の外出を控えるように!」という要請に出来るだけ従ってきたのだが、先週末に、必須の取材に出向いた。
新幹線は一両に数人、新幹線内でもマスクをして、肘掛けも使わないようにしながら、消毒用のアルコールジェルを携帯しての取材旅行となった。
岡山県美作市にある『静楽庵』に到着したのは5月10日の午前8時!
ホームページにも書かれているように、『静楽庵』もまた、コロナウイルスの影響で、店頭での販売を休止されている。
その中で、様々な魅力的なメダカを撮影させて頂いたのだが、『メダカ百華第8号』や『メダカ品種図鑑 II』にて、“RP-3”として紹介させて頂いていた、新たな遺伝子を持ったメダカたちが、いよいよ2020年5月よりリリースされることになったのである。
こちらが、初めて『メダカ百華第8号』にて“RP-3”として紹介させて頂いていた最初の記事ページである。
昨年の10月7日に撮影させて頂いた写真でページを展開したのだが、「一年間に6世代を進める『静楽庵』の改良速度」を考えれば、成魚サイズになっているメダカは二世代は進んでいることは行く前から想像できていた。
今年の4月からリリースされた、『静楽庵』のサファイア系である。
黒ラメ幹之から改良された青いラメを密に持った新系統である。
黒ラメ幹之がリリースされたのは2014年のこと、それからラメ系統の人気は紅白、三色と色柄モノへと移っていったのだが、実はラメ系統の楽しみ方は、「ラメを集め、新たなラメの魅力を持った系統」の方向にも進んできたのが昨年からのことであった。
ラメメダカについては、『メダカ百華第8号』でも掲載させて頂いたが、ラメメダカの追求は止まることなく進んでいるのである。
さて、“RP-3”であるが、『メダカ品種図鑑 II』に記述した“RP-3”の説明をコピペしておこう。
「岡山県美作市にある『静楽庵』で発見、遺伝することを確認した新たな表現を持ったメダカが“RP-3”である。この“RP-3”を使うことで、黒体色の品種の尾ビレだけを朱赤色に出来る可能性が大いに高まったのである。実際、そのプロトタイプも完成していたのである。このメダカの存在に最初に気付いたのは 2017年のことだったと言われる。当初は、「頭が黒くなる遺伝子」だと思われ、“黒頂”の呼称を与えておられた。そのメダカを2年間、累代繁殖されたところ、「赤体色でブチ遺伝子と、この“RP-3”を表現する新たな遺伝子が揃って初めてこの表現が出来上がっている」ことを確認されたのである。 2019年秋には、そのプロトタイプも完成している。」
そして、他品種と交配することで、 『静楽庵』が満を持して「令和シリーズ」として“RP-3”の遺伝子を持ったメダカのリリースを決められたのである。
これは「令和オーロララメ幹之」である。
これは別表現の「令和オーロララメ幹之」である。
これは「令和黒ラメ幹之」である。
こちらは「令和クリアブラウン」である。
「令和三色ラメ幹之」である。
これは「令和黒ラメ幹之」の頭黒タイプとでも呼ぼうか、迫力のある体色、ラメ光沢である。
『静楽庵』からは一品種ずつがリリースされる予定である。
店頭販売を休止中の『静楽庵』では、LINEでの販売をされている。LINE登録はホームページから出来る。
この「令和シリーズ」が愛好家の手に渡ることによって、メダカの改良方向がまた大いに広がることだろう。「どの品種のヒレを朱赤色にするか?」飼育者個々のアイディアと感性を発揮され、F2、F3と採っていく一年がかりの新たな表現作りを楽しんで頂きたい。