久しぶりの野生メダカの撮影!
約5年振りだろうか?久しぶりに天然採集のミナミメダカの撮影をした。
今回のミナミメダカは徳島県北東部産のもの。
以前の型分けとしては、南日本集団東瀬戸内型のメダカである。
現在は、ミナミメダカ、キタノメダカは、1999年2月にレッドリストにて絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)(絶滅の危険が増大している種)にメダカが記載され、メダカは2003年5月に環境省が発表したレッドデータブックに絶滅危惧種として指定された。
身近な淡水魚であるメダカが絶滅危惧種に指定されたことで、各マスコミが大きく報道したのであるが、そもそも、そういったマスコミはそれまではメダカのメの字も気にしなかったのに、騒ぐだけ騒いでいた。
メダカは今でもいるところにいけば大群で泳いでいるのも珍しくない。
メダカが減少したのは、全国的に行われた圃場整備、水路のコンクリート化等、メダカが棲みにくい環境を人間の生活を優先したことでどんどんと作ったからである。コンクリート化はそういった場所の水草、水生植物も減少させ、大雨が降れば勢いよく水が流れる…そういった場所でメダカを始めとする小型の水生生物が生き残っていくことは難しかったことは容易に想像がつく。
多くの人が野生のメダカは池沼のような水の流れのないところに多産すると思っているようだが、メダカは水流のある水路や小河川に多い、特に水田地帯の用水路はメダカたちが好んで生息する場所である。
そういった流れの中を普通に泳ぐ野生のメダカを見れば、エアーレーションなしでメダカを飼育していることが不自然なことだと気づくはずである。
「魚を飼育する」ということは、飼育環境を出来る限り整えることが大切で、エアーレーションなしで容器の中で水面付近だけを生活の場としているメダカを見て、より良い飼育環境下にしようという思いも強くなるはずである。
エアーレーションなしでメダカが飼えるのではなく、エアーレーションなしでもメダカが耐えられるだけで、それは飼っているというより、容器で生かしているだけだと気付いて欲しいところである。「飼育する」ということは、自然環境を再現する、自然環境以上に良好な環境を飼育者が追求していくことである。
昨日、水槽でミナミメダカを撮影していて、合計で70カットを撮ったであろうか?撮影後、自分の中で撮影後に「満足感があったか?」と言えば、なかった。
ミナミメダカを飼育することは、簡単なことではない。生かしておくことはフルアクアリウム(フィルターが稼働した魚を飼育できるセット)であれば問題なく行うことが出来る。
しかし、野生のメダカはよく食べるし、よく排泄する。綺麗な群れを水槽内で再現しようとすることは、頻繁な給餌、頻繁な水換えが不可欠なのである。そして、色揚げ効果のあるような人工飼料を与えると本来ないはずの赤色が発色してしまったりして、野生メダカの本来の姿ではなくなってしまうのである。
餌をよく食べるからと与え過ぎれば太りすぎてしまうし、自然の体形を保ちながら、自然な雰囲気の群れを作るようにすることは意外に大変なのである。
昨年末から飼育を始めたミナミメダカであるが、昨日の撮影まで気を遣いながら育ててきた。
昨日、撮影できた写真だが、「良い写真か?」と言えば、なんとか、人に見てもらえるレベルであった。
昨日、撮影が終わったのは午前1時頃だったが、撮影後、すぐに水槽の半分の水量を水換えして、次の撮影に備えた。
ほぼ5年振りにミナミメダカを飼育したが、じっくりと観察すると黄色素胞や黒色素胞、そして少数が有するラメ光沢のグアニン層など、体色的な部分でもまた違った見方が出来た。
メダカ類の飼育のヒントを今回の一ヶ月弱の経験だけでも掴むことが出来た。改良メダカとは異なる部分もあるが、野生メダカの飼育に戻ってみると、またメダカを飼育に対する意欲も新たに湧いてきた!
まずは、このミナミメダカが産卵する様子まで観察していくつもりである。