新潟、長岡にある『越後めだか』諸橋正俊氏の作る“宇宙れいか”
メダカの異品種交配は、多くのメダカ愛好家が実践している改良メダカの楽しみ方のひとつである。
百式や緑光など、全身体内光由来のメダカなどで上見だけでなく、体側にも光沢を見せるメダカにも注目が集まりつつある。今回見せていただいたメダカも、『越後めだか』諸橋正俊氏が「菊鱗黄金のような感じで、体側に光りが入ったら面白いと考えて」と、改良が進められているメダカである。
ハウスネームは“宇宙れいか”
黄色体色で体内に黒色素を持つメダカである。“清流きりゅう(桐生)”×ブラックダイヤ黄金のF3に、さらに“清流きりゅう”を交配して進められている。
“清流きりゅう”は、平成30年に日本メダカ協会で新種認定品種第三十三号として登録された群馬県の高草木二三男氏が作出したメダカで、青透明鱗体外光メダカになる。高草木さんと言えば、黒系のメダカの作り手として非常に有名な方である。
幹之透明鱗系統から派生したもので、体内に黒色素胞を持つのが特徴である。累代が進むにつれ、背の体外光だけでなく、体側にも体外光を見せるようになっているという。体内光はもっており、“黒百式”と呼ばれるメダカと収斂的なメダカと言えるだろう。この“清流きりゅう”を元に改良が進められている。
パッと見の横見は、黒百式のような雰囲気を感じさせるが、百式などとは体色が異なり、黄色がかるところが黒っぽい体側との対比で面白い。
また、上見でも面白い表現を見せる。
黒バックで見ると、“北斗”などで見られる腹膜部分の光沢が確認できる。
そして白バックにしてみると、また異なる印象の姿になる。
体内の黒っぽさがよくわかる。また、微小な白い色素が体表面に散らばるのも見える。
まだまだ選別累代をされている最中であるが、体色や体側の光沢など特徴的な部分が多く、これからの進化も楽しみである。
オリジナルのメダカ作りは時間と手間が必要ではあるが、やりがいのある楽しみ方だと言える。