“バタフライ”と呼ばれる、“松井ヒレ長”דスワロー”(“風雅”)による双方のヒレ長を持つメダカ
“松井ヒレ長”と呼ばれる全てのヒレが大きく拡がりながら伸長するヒレ長と、“スワロー(“風雅”)”と呼ばれる各ヒレの軟条の一部が櫛状に伸びるメダカは奇しくも、2012年という同じ年に、熊本県と青森県で発見されたものである。2013年に広く知られるようになった年には『めだかの館』から“メラー”もリリースされ、改良メダカの世界に「ヒレ長」という新たな魅力が加わったのである。
“スワロー(“風雅”)”である。日本で初めてヒレ長という特徴をもったメダカとして、衝撃的な登場をしたメダカである。
“松井ヒレ長”である。各ヒレが大きく伸長し、優雅に見えるヒレ長である。
この2タイプが知られるようになると、当然、「両者の特徴を取り入れよう!」と考える作り手はいるのである。
普通体形のものでも“スワロー”と“松井ヒレ長”の両方の血統を持ったメダカは見られたのだが、ヒレ長への興味がひと段落していた時期で、あまり注目されたなかった。
2017秋に埼玉県の『桃ちゃんメダカ』が作られたメダカで、2015年の夏から光体形の“スワロー(“風雅”)”と“松井ヒレ長”の交配からのF4に“バタフライ”のハウスネームを付けられたのが最初である。
光体形のヒレ長は静岡県の『猫飯』が“スワロー”血統のものを“フレアー”、“松井ヒレ長”血統のものを“半月”と呼んでいるタイプが知られている。
また、福岡県の『朝倉めだか倶楽部』の熊谷氏の“パーティードレス”、仲山氏の“クィーンバタフライ”も知られている。
この2個体は、静岡県の『Fuji Aqua Green』の川口氏が、『桃ちゃんメダカ』の“バタフライ”を使って作られた“月虹”、“鳳凰”を基調色にしたような“バタフライ”である。
“バタフライ”血統でも、例えば“松井ヒレ長”の他品種と交配すると、“松井ヒレ長”血統だけが強く現れることもよく見られる。
こちらも『Fuji Aqua Green』の川口氏の作られた楊貴妃“バタフライ”である。
こちらは“夜桜バタフライ”。
個体毎にヒレ長の雰囲気は異なるのであるが、光体形の“スワロー”と“松井ヒレ長”の両方の血統をもったヒレ長で、脊椎骨に曲がりのない個体は非常に優雅である。
今後は、“スワロー”と“松井ヒレ長”以上に“バタフライ”血統のヒレ長メダカが注目を浴びそうである。
「これにさらにヒレ光を入れたら!?」メダカの改良は前へ、前へと進んでいくのである。