暑さからメダカたちを守る方法 3 「何故?水換えが必要なのか?」

毎日、暑い日が続いているが、しっかりと遮光することと、適切な水換えをしていれば、メダカたちを死なせてしまうようなことは防ぐことが出来る。

もちろん、「飼育しているメダカが生後何ヶ月経っているか?」、「飼育容器で何匹飼っているか?」などによって、一律には言えないのだが、この様々な飼育条件に合わせて、それぞれの飼育容器に適した日常管理を出来るようになることが大切である。

熱帯魚を飼育するためには、様々な飼育器具が必要だし、飼育する熱帯魚の種類によって適した水質を気にするなどが必要になるのだが、メダカの場合、「発泡スチロールの箱にしても、バケツにしても、水さえ張れる容器があれば飼育できる!」と気軽に飼育を始める方が非常に多いのである。

そこが改良メダカが今、「手軽に飼育が始められる」と多くの人によって飼育が楽しまれるようになっているのである。

熱帯魚や海水魚のような難しい飼育条件はないのだが、「生きた魚を飼育する」ことに変わりはない。

誰でも給餌はすぐにできるだろう。量の多少は経験によって体得していくものなのだが、「水が汚れる」という感覚については、「なんとなく理解している」という人が多いようである。

そこで、今回は、「何故?水換えする必要があるか?」ということを掘り下げることにした。

新しい容器に、新しい水を張った状態はどなたも見たことがあるだろう。水はよく澄んだ透明で、飼育容器も新品の美しさを見せているはずである。

そこにお気に入りのメダカを10匹ほど泳がせると、メダカの姿もよく観察でき、キビキビと気持ちよさそうに泳ぐメダカたちの姿を楽しむことが出来るだろう。

そのセットした容器に毎日、餌を与える。そうするとメダカたちは毎朝、産卵行動を見せ、メスは腹部に卵塊を付着させて泳ぐようになる。産卵床を入れておけば、そこに毎日、卵を産着してくれるのである。

メダカたちは元気に泳ぎ回り、餌をねだる。これがずっと続けば何も苦労することはないのだが、飼育容器という水量の限られた飼育水は、メダカたちの食事の場であり、産卵の場であると同時に、排泄する場所でもある。日々の排泄物、餌の食べ残しなどは、すべて、飼育水中に日々、蓄積していくのである。

メダカが排泄するものの50%以上はアンモニアで、次に多いのが尿素である。

このアンモニアは餌に含まれているアミノ酸に由来するもので、アンモニアはメダカにとって、特に中枢神経に対して極めて毒性が強いため、直ちに体外へ排泄しなければならない。

この餌を食べたことで発生するアンモニア、多くの人がメダカが糞をすることで排泄していると思われている。人間の排泄が糞尿によって行われているため、どうしてもそう考えがちのようである。

しかし、メダカの場合、アンモニアの80%以上はエラから排泄されているのである。エラは呼吸をして酸素を体内に取り込んでいるだけと思われがちだが、同じぐらい重要なことは、このアンモニアの排泄器官だという部分である。

エラは、排泄する器官であると同時に、淡水魚であるメダカの場合、エラから水分や塩分を体内に取り込み、水で薄めた尿を多量に排泄している。

このアンモニアを体外へ排泄しながら、水分や塩分を体内に取り込む方法は、エラの浸透圧によって行われている。浸透圧というとよく解らない言葉になってしまうかもしれないが、「膜を隔てて、水中から水を取り込んだり、水中にアンモニアを排泄するために濃度の濃淡を利用する」ことだと思っていてくれれば良い。

新水の塩分濃度はゼロで、メダカの体内の塩分濃度は0.6〜0.7%である。また、アンモニアの濃度に関しては、新水はゼロで、メダカ体内のアンモニアの方が濃いため、「濃い方から薄い方へ」の浸透圧の働きで、アンモニアが排泄されるのである。

日々、餌を与え、メダカたちがアンモニアや尿素を排泄している場合、それは日々、水中に蓄積されるということである。

熱帯魚飼育などでは、ろ過器を用いるのだが、水をろ過するということは、ろ過バクテリアの働きによってこのアンモニアを比較的、魚に無害な硝酸塩にする作用のことである。

このろ過バクテリアが働くためには、十分な酸素が必要で、エアーレーションをしていない水を張っただけのメダカ飼育容器では、ろ過バクテリアはほぼ働いていないと考えるべきである。

「アンモニアが蓄積した飼育水の中のメダカたちはどうなるか?」、簡単なことである。「アンモニアはメダカにとって、特に中枢神経に対して極めて毒性が強いため、直ちに体外へ排泄しなければならない」生死に関わる排泄が水が汚れていることで出来なくなるのである。自分の排泄物であるアンモニアを順調に排泄することができずに、自らのアンモニアで自家中毒を起こして死亡してしまうのである。

それは一時間単位で刻々と変化していくもので、朝、元気に餌を食べていたのに、夕方、帰宅したら死んでしまっていることもメダカの場合には多々あることである。金魚や熱帯魚などでは、水が汚れていると餌を食べる量が減ったり、餌を食べなくなるなど、黄色信号を発してくれるのだが、メダカの場合は死ぬ数時間前まで餌を食べてしまうことも多いため、「餌を食べているから、水の状態は大丈夫!」と思ってしまいがちなのである。

よく、「夏の暑い中、全滅した」という話を聞くが、暑いから全滅したのではなく、それ以前に、水換えをしていない水が原因でアンモニアを順調に排泄できずにメダカが死んでしまうのが実情であろう。水温が上がればメダカたちの代謝速度は上がるし、呼吸することでより多くの酸素を取り込みたくなっているのである。メダカたちが見せる苦しんでいる前兆としては、すべての個体が水面付近だけで空気中の酸素を取り込もうと泳いでいるか?逆に水面に姿を見せずに、水底に集まってジッとしているかである。どちらの状態もそのまま半日も水換えせずに放置しておけば死に至ってしまうはずである。

水換えする目的は、水を透明にするためではなく、「メダカたちのアンモニアの排泄がしやすい環境を作り出す」ことが第一の目的なのである。排泄を順調にメダカたちに行わせるためには、水換えを引っ張るのではなく、「早め、早めに水換えをする」ことが大切なのである。

飼育者が「今日は暑いから水換えは止めておこう!」、「雨だからメダカの世話を外でするのは止めておこう」と思うことは、ただただメダカたちを苦しめることで、飼育者の怠慢でしかない。

「死んでしまった…」ではなく、「殺してしまった」であり、「アクシデントが起こった…」ではなく、「アクシデントを飼育者が誘発してしまった」だけである。

メダカの飼育をする上で、飼育者がやることは大きく分ければ、「餌を与えて、水換えをする」だけである。その水換えを飼育者がサボろうとすれば、飼育しているメダカたちは日々、過酷な環境の中でなんとか生きていこうと苦しみが大きくなっていることを忘れないでいていただきたい。

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