改良メダカ “オロチ” 2
昨年、飛鳥メダカの谷國昌博氏が作出、リリースされたブラック系のメダカが “オロチ”であることは先日、このブログにて掲載させていただいたのだが、その反響が凄く、改めてこの “オロチ”の注目度の高さを認識させられたのである。
作出者の谷國氏の話として、ここまでの黒さを獲得するのに、6年半を要したそうである。現在の“オロチ”は、Lサイズになれば大体は黒くなるそうで、「基本は誰がどのような環境でも白メダカのように、固定率100%までとは言わないまでも、高い確率で同じものがでてくるように心掛けて選別をした」と言われる。
このオロチ、非常に臆病なところがあり、なかなか写真を撮らせてくれないところがある。このモデルの“オロチ”は、神奈川県川崎市在住の中里良則氏が完全室内で繁殖させ、育成した個体で、卵から全く太陽光を浴びないで育成され、この黒さになるのが“オロチ”なのである。
こちら、前回はあまりしっかりと撮れなかった“オロチ”のメスである。
オスより黒さが厚みがあるというか、漆黒という言葉がぴったりと来るのである。
顔のアップを撮影してみた。口唇、頬部、そして顎下の黒さを肉眼で見る以上に見たかったから撮ってみた。
こちら、メスの体側である。どう発色しているか?を写真から観察してみようと思って撮ったものである。
“オロチ”のオスで見やすい、尾ビレのエッジに白色が出るところもアップで!
ようやく水槽環境に慣れてきたため、産卵行動も観察できるかもしれない。
“オロチ”同士の交配をしている静岡県浜松市にある「猫飯(ねこまんま)」の池谷氏と話をしたのだが、最初に“オロチ”同士を撮った時には、普通鱗と透明鱗が出たそうで、透明鱗の方が比率としては低かったと言われる。その透明鱗は、成長しても淡い色合いだったそうで、次期種親からは当然、外したそうである。
前回、紹介したのだが、この“オロチ”の持つ黒さは、これまで解明されている遺伝子から言えば、Va(Variegete)の可能性が高く、それを現在、異品種交配によって検証中である。
異品種交配によって、“オロチ”の遺伝子がどのように遺伝して、どのように分離するか?を中里氏が検証しておられ、そのF1をいずれは画像で紹介できそうである。自宅でもこのモデルの魚と中里氏とは別の品種を用いて異品種交配するつもりである。
まだまだ“オロチ”では知りたいことがたくさんある。また新たな画像が撮れたところで、このブログでいち早く紹介していくつもりである。