『めだか専門店 ぱれっと』の黒地に白斑が入るメダカ

人気ブログ『FUJIYAMAめだかのブログ https://ameblo.jp/fujiyama-medaka/ 』を書いておられる井田さんから、6月26日、LINEで見たことがないメダカの画像が送られてきた。

この2枚の画像である。

「???」画像をiphoneで見ていたのだが、ちょっと暗めで、はっきりとはそのメダカの色柄が判らなかったのだが、井田さんが、「パンダウナギみたいですね!」と書き添えてくださったので、黒白のメダカだということは理解できた。

この画像をパソコンに取り込み、アップにして見てみると…「これは改良メダカの世界に一石を投じる遺伝子を持ったメダカなのかもしれない!?」と思ったのである。

それから、この黒白メダカの作出者である有岡さんとLINEのやりとりをさせて頂き、「梅雨明けしたら撮影させてください!」と約束させて頂いていたのである。

有岡さんが『めだか専門店 ぱれっと』を営んでおられることはこの時から知っていたのであるが、訪問させていただくまで、とんでもない間違いをしていた自分がいたのである(大汗)。

7月24日、関東地方の梅雨明けが発表されて時を見計らって、有岡さんにLINE、いきなり、翌日の取材を依頼させて頂いたのである。「明日ですか??」と有岡さんは少々、戸惑われたようだが、快諾くださった。

7月25日、待ち合わせ場所で車を駐めて待っていると、隣に女性が運転してきたワンボックスカーが駐車、同行した東山と共に、待ち合わせ場所の整術院のスタッフの方が来られたのだろうと気に止めていなかったのだが、こちらの車の方に来られて、「どうも、有岡です!」と言われたのである(大汗)。

私がLINEしていた有岡さんのことは、100%男性だと思ってやりとりしていたので、本当に焦ってしまった(苦笑)。

私が男性だと思っていたのは、利根川の河口堰で昔、撮影していたハクレン(レンギョ)のジャンプの話しや、この黒白のメダカの説明を書かれていた文章が、相当、メダカを作り込んでいる人の文章だったからである。別に女性では書けないという訳ではないのだが、多岐に渡って生物全般に知識を持っておられたので、私は完全に男性と思い込んでいたのである。

そして…

LINEでは、男性だと思って、冗談で「メイクアップしていてください!」とか書いてしまっていたのである(大汗)。

お会いして、すぐに、「す、すいません、有岡さんのことを男性だと思ってLINEを書いていました」と平謝り(汗)梅雨が明けて暑い日だったのだが、それ以上に大汗をかいてしまった(苦笑)

さて、出会いまでの話はここまでにして、例の黒白のメダカを!

この魚である。

有岡さんが頭部周辺に柿色を表現できないか?で “オロチ”の光体形の個体に “女雛”を交配されたものから生まれた、黒白のメダカである。撮影した個体はf6で、「兄弟、姉妹、ほぼ全てが黒白模様になります。地色がクリーム色になる個体も少し出る」という魚である。

そこから有岡さんがグレード分けされ、有岡さんの感覚的に白が褪色しない個体が1/2ほどだと言われる。その中で最も特徴的な個体だと思われた個体がこの2匹だそうだ。

じっくりと見てみると、尾ビレや胸ビレに黒地に白飛びが見られ、透明鱗血統が作用しているものだと思われた。

そもそも“女雛”には透明鱗性はなく、“オロチ”が持っていた透明鱗性が“女雛”血統が持っていた何かが作用して白飛びを見せるようになったのであろう。

有岡さんのメダカ飼育歴は8年ほどだそうで、高校生の頃にはショーベタを飼っておられ、メダカ飼育を始められたきっかけは、「ふと、メダカを飼いたいな!」と思われたそうである。最初に入手したメダカは、成体ではなく、透明鱗三色の卵をヤフオクで落札されたことからだったそうである。「15粒+α」で落札された卵を、「超大切に育てた!」そうで、全ての卵を成魚まで育てられたと言われる。ショーベタの繁殖経験をお持ちだった有岡さん、この「15粒+α」から孵化した稚魚にもブラインシュリンプ幼生を与えられたそうである。

それから、ずっと透明鱗三色だけを飼育、繁殖されてきたと言われる有岡さん、「やっていて楽しいのは三色!」と言われるのである。どちらかといえば、“心が折れるのが透明鱗三色”のはずなのだが、有岡さんは、「楽しい!」と言われるところで、「只者ではない!」と思ったのである。

ここで、有岡さんの黒白以外のメダカをご覧いただこう!

“煌”である。

こちらは“夜桜”である。

そして“女雛”である。

この種親は、有岡さんが新潟出身という縁もあり、『メダカ百華第7号』で掲載させて頂いた、『めだか日本海』の中島さんが飼われている系統を訪問されて譲って頂いたものだそうだ。

「飼うならしっかりした系統のものだけを!」これも有岡さんのこだわりの一つなのである。

こちらは“五式 Type-R”である。赤さ、そして黒さがしっかりしており、しっかりと横見も観察されて厳選して作っておられた。

こちらは“紅凛”、『夢中めだか』から小寺氏の作られた種親を入手され、繁殖された個体である。“紅凛”は元々は体外光を持たせる方向で交配されたものだが、非透明鱗三色として有岡さんが先へ進められている印象を受けた。

こちらは有岡さんが作っておられる非透明鱗紅白である。“煌紅白”に“雲海”を交配して作っておられる系統で、「“煌紅白”の遺伝率の良さ、雲州三色の白地、そしてあけぼのの赤さが出れば!」と3系統の血統全ての良いとこ取りを狙って作っておられるのである。

この辺の設計図が頭にあるところが有岡さんの感性なのだと感じた。

最初に紹介した、“オロチ”の光体形ד女雛”の黒白メダカに、“煌紅白”ד雲海”のf3を交配した系統が以下のメダカである。

黒白メダカに緋色を入れていこうという交配で、既に黄色色素は移行している。

黒白メダカ、そして、この緋色が入った系統ともに累代繁殖されておられ、その遺伝率は高率であった。まだ幼魚なので、撮影はまた次回!

有岡さんのメダカの魅力は、「選んだ親同士で子供を採って、成果が出ることが楽しい」と言われる。そして、種親から採卵する期間も思っているより短めで、その理由をうかがうと、「メダカの改良は、いかに世代を早く進めるか?にあるじゃないですか!」と有岡さん、「早く特徴の表れる個体を種親にする」そうである。

「販売するのも、自分が納得した魚しか売りません」と有岡さん、その品種の特徴に沿わない魚は全て“選別もれ”と書かれると言われる。有岡さんの選別眼は確かなもので、そして高い感性をお持ちであることはメダカを見せていただき、話をうかがって確信できた。

屋号の『ぱれっと』は、絵の具をのせる調色板に因んだもので、「パレットに絵の具を乗せて、色とりどりの絵を描く…」これが有岡さんのモットーであるそうだ。

小売の方は、金曜日、土曜日、日曜日で、金土は午後1時半から午後4時まで、日曜日は午前10時から正午12時と書かれていたが、詳しくはホームページをチェックしてもらいたいということであった。

https://medaka-palette.com
住所 茨城県神栖市若松中央1-6-3
栄光堂整術院様とアパートの間となっております。駐車場は販売所前 

こちらが『めだか専門店ぱれっと』のホームページである。

今回、紹介させていただいた、黒白メダカとその交配系統は、まだリリースの予定はない。じっくりと作り上げ、有岡さんが納得された時、話題性たっぷりのこの黒白メダカがハウスネームとともに発表されることだろう。

今から楽しみである。

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