清水金魚 特選市へ
清水金魚で行われた特選市を訪れた。前回お邪魔したのは、3月の特選市である。今回は夏前の7月上旬ということもあり、前回並んでいたメダカが冬越し明けの大きめサイズが多かったのに対し、今年の新仔が多く、若いサイズが中心で、これから色上がりや産卵でバンバン活躍するだろうと思えるメダカが多く見られた。
受付は早朝6時半から始まる。市は競りの形で行われるため、やはり先の順番の方が有利な面もあるため、朝一番から受付に並ぶ生産者も多いそうだ。受付が済んだら、温度合わせもあり、並べられた容器に袋で浮かべられていた。他所の競りでは、魚は袋に入ったまま行われることが多いが、清水金魚では、容器に開けられる。そうすることでしっかりと魚を見ることができるため、お客さんたちの評判もよいそうである。
容器ごとに整理番号が振られ、出品者の番号、品種名、匹数を書いた札が入れられる。
容器に入っている数は様々で、少ないものは数ペア、多いところでは100匹など、これは出品者の自由である。
100匹を超える楊貴妃や幹之は大型の袋入りで扱われていたり、他の品種でもまとまった数で袋売りされるなど、出品のスタイルは生産者によって様々である。買い付ける業者は、これらをひとつひとつじっくりと品定めする。競りの開始は12時半からであるが、袋から出されてからは2時間ほどである。その間に、どれを落とすか、じっと吟味したり、周りの人と相談したり、賑やかな時間であった。
床を埋め尽くすようにメダカ容器が並ぶ。容器だけで200位はあるだろうか、それに袋入り、さらに金魚や錦鯉なども並び、壮観な光景であった。
競りが始まると容器の周りに人々が集結する。仕切り人のかけ声が威勢良く響く。スタートの価格が提示され、そこからかけ声と共に価格が上がっていく。落とそうとする業者は手を上げ続け、その間はかけ声が続く。続いている間は価格が上がっていくということである。どの品種でもかけ声は続いており、メダカ人気の高さは健在どころか、さらに白熱しているようにとれた。入札が入らない容器はなく、最終的にはすべてがここから出荷されていくのであった。
人気の高さは、やはりラメや体外光、三色といったところが目立っていた。紅白や紅帝、オロチ、ハイグレードの幹之など、定番種の競り合いも激しく行われていた。
以前、取材を受けていただいた宮本さんが、目立つ魚を出品されていた。
派手な姿をした三色ラメ体外光
紅白体外光
三色SKD
三色ラメSKD
ある意味、注目度の高かった二種。それというのもこの名前が目を引いていた。自分も思わず、持ち込まれていた宮本さんに由来をまずはお聞きしたものだった。その答えは…
Shimizu Kingyo Daisuke の略だという。宮本さんが清水金魚の清水常務から託された魚なので、「常務の名前を使った」と笑われていた。名前で引かれた人も多いが、やはり魚の出来がしっかりしているからこそ、注目もされていた。
こちらはその清水金魚作の三色ラメ
「三毛猫は使われているし、この色合いならどら猫かなぁ?」と。周りからはSKDシリーズにすれば?など、楽しげな話題の中心にもなっていた。
卸業者である清水金魚であるが、メダカの生産も手がけており、独自のメダカ作りも狙われているようであった。
まだまだメダカの扱いには力を入れられていく様子であった。