メダカ 屋外の稚魚
気温が15度を超えて安定してくるような時期になれば、メダカは屋外に出して飼育しやすくなる。例え小型の容器だとしても、室内と違って屋外は空気の動きがあるため、水の持ちが格段によくなる。もちろん、屋外でもエアレーションをするなどして水面を動かすことはよりよいのではあるが、単純に容器を並べていても、室内よりはずっとよいことは実感できる。
水を張った容器は、一週間もすれば、薄く緑色に水が色づいてくる。これは青水やグリーンウォーターと呼ばれる植物プランクトンが繁茂している状態で、生まれたてのメダカの稚魚にとっては、初期餌料にもなる。
卵から生まれた稚魚は、最初は体にある卵黄を栄養分とするが、それを吸収し終わると餌を食べる。ただ、稚魚は非常に小さいため、このような微小生物はよい餌になる。
最初にこうしたものを食べることで、細かな人工餌料を楽に食べられるまでのよいつなぎになる。
ただ、この青水の状態は、ほんの少しの光の当たり方などの条件で、隣り合った場所でもできたりできなかったりもする。
あまり濃くなりすぎるのもよくなく、うっすらと染まる程度がちょうどよい。濃い真緑でメダカが見えなかったり、青臭いような臭いがするような状況は避けた方がよい。部分的に水換えするなどして、適度な濃さを保つように慣れるようにしたい。
同じようなタイミングで生まれた稚魚も、屋外と室内では成長速度に大きな違いが出る。もちろん室内でも、水換えや餌やりの頻度などで大きくもできるのだが、屋外では、ある程度放置していても育っていてくれたりもする。この辺りは実践してみて、その違いを体感してみてほしい。
ただ、屋外では室内にない注意点がある。それは虫や獣などの存在である。オープンな環境では、いつのまにかトンボが卵を産んでいることも多い。トンボの幼虫であるヤゴは肉食性で、メダカは稚魚から親まで格好の餌になる。たくさんいたはずの稚魚が、いつのまにかいなくなっていて、水を抜いたら育ったヤゴが出てきたということもある。また、ネコや鳥、最近ではアライグマやハクビシンといった動物の被害も多く聞くようになった。さすがにこうした動物は、メダカの稚魚は小さすぎて捕らないようであるが、親メダカはひとたまりもない。
住んでいる地域にもよるが、屋外で飼育する場合は、こうした動物がいるような所はしっかりとした蓋をした方がよい。アライグマやハクビシンでは、ただ網を載せたような蓋では簡単にどけてしまう。はめ込むような形で、ただずらすだけではなく、上げてずらすといった二段階が必要な方式にするとよい。小型容器ひとつひとつに設置するのが難しい時には、大きめの舟に容器を並べ、全体をひとつの蓋で囲むようにしてもよい。