食虫植物 ハエトリソウ

ハエトリソウは、食虫植物の中でもよく知られる種で、ハエトリグサ、ハエ地獄などとも呼ばれ、梅雨前くらいから町中の花屋さんなどでも扱われる姿をよく見ることができる。

原産地はアメリカの北部、ノースカロライナ州やサウスカロライナ州などに分布するが、その分布域は限定的で、現地では保護されていたりもする。その独特な姿から人気は高いが、流通するのは栽培されたものになり、改良品種も数多く作出されている。日本国内でも栽培業者があり、そこで栽培増殖されて、季節になると店先に並ぶのである。


一度見れば、忘れられない独特な葉の形が特徴である。この葉で挟むようにして虫などを捕らえるのだが、勘違いしている話しをよく聞く。名前のせいもあるかもしれないが、ハエトリソウが虫をパクパクと捕まえて食べると思っている人が多いことを知った。よくよく考えてみれば、植物が飛び回るハエをパクッとくわえるなど、映画の世界の話しになってしまう。ハエトリソウは本来、待ち伏せ型で、虫などがこの葉の間にくることで、捕まえるのである。


開いた葉の内側には、感覚毛と呼ばれる細い棘が3本あり、センサーのような役目を担う。この棘に獲物が触ることで反応するのだが、一度触れただけでは反応はせず、二度触れて初めて、葉は閉じるのである。その閉じる速度は0.5秒とも言われ、実際見ていても、あっという間に閉じている。獲物を逃がさないための速度である。

小さい頃、大型園芸店の食虫植物のコーナーにへばりついていたものだった。壁際などを探し、アリやらダンゴムシを捕まえては、ハエトリソウにあげていた。当時はその狩りの様子に見入っていたものだったが、ハエトリソウが葉を閉じて虫を捕らえるには、莫大なエネルギーを消費し、むやみに開閉するのは大きな負担になることを知ったのは相当後である。
一枚の葉が生涯に開閉できる回数は数回程度とされ、むやみにイジって葉を閉じさせることは、その葉の寿命を縮めることになる。オジギソウの葉を閉じさせる感覚で触るようなことはないようにしたい。

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