夜桜交配 ×黒ラメ黄幹之体外光 2
夢中めだかで見せていただいた「夜桜×黒ラメ黄幹之体外光」の続きになる。
F5まで進めている交配であるが、様々なタイプが得られているのは前回の記事からもよくわかるだろう。ひとつの目標としての「夜桜体外光」のタイプも形としては得られている。そうしていろいろなタイプがいる中で、意識されたもうひとつが「緑色の体色」である。
黒みがかった体色にラメと体外光という姿であるが、その地色には緑がかった色合いも見てとれる。「夜桜」としてはこういう表現なのかもしれないが、ここからより“緑の体色”に注目するとされていた。なにかと話題になる緑色のメダカであるが、ブリードをしていてこうした着眼点を持って交配を進めることが新品種作りには大切になる。
F5の中の兄弟魚である。「夜桜」表現からは離れているが、体色は緑の色合いを呈している。さらにラメや体外光も載ってきているため、このタイプを拾い集め、固めていくことでこの先の世代で「緑体色で体外光」の姿が楽しみになる。
これらとは別に、この兄弟の中で気になる表現がいた。
顔を含め、緑というよりは青みがかった黄色よりの体色をしていた。ラメや体外光の載りも確認でき、このまま育てば、夏向きの涼しげな姿になるのではと思えた。
こちらはオーロラの血を感じさせるピンクがかった顔をしていたが、体は青っぽい黄色の色あいである。ラメも入り、この顔でも合う色合いだと思えた。
基本的に上の個体と同じ体の表現だが、体後半の体外光と頭部と二段階に光沢を見せる個体。強い派手さではないが、これも目立つ姿であった。
この黄色の雰囲気は「夜桜」の黄色系とは、また違った雰囲気を醸し出していた。これはこれで固めてみたいと思えた姿であった。
F5まで進めている掛け合わせであるが、こうして見るとまだ数タイプにわけることができるというのがわかる。そのどれもが特徴を持つが、すべてを分けて固定作業を進めるには、それに準じた容器の数など設備が必要になる。そんなに数を増やせないなら、どれかに絞って他のタイプは淘汰することになるのだが、なかなか絞りきれない気持ちもよくわかる。こうした悩ましい面があるのもメダカの品種作りである。自分が進めているのではないので気楽に言えてしまうのであるが、このメダカたち、夢中めだかさんたちがどう進めていくのか、再び見せていただく日が楽しみである。