再び西へ。夢中めだか来訪

今年二度目の岡山入りは夢中めだかへ。
なにかと話題の夢中めだかである。独特?なブログを見ていると、見事な個体が紹介されたかと思えば、よくわからない妙なノリとテンションが続いたりと、「いったいどんな人がこれを?」という感じを受けていた。実際にお会いすると、なるほど!と思えたものでもあった。
子供の頃からお兄さんと共に部屋中を熱帯魚の水槽で埋めたり、金魚やメダカなどさまざまな生物を飼育してきた坂上さんが、まったく魚と関係のない所で知り合った天野さん、平松さんを誘い、三人で「メダカに夢中になる」と作られたのが夢中めだかである。

すぐ後ろには電車が通る山裾の開けた場所に、200を優に超えるトロ舟や木枠の池、加温用のハウス4棟などが3人や親しい仲間の手によって作られていた。

昨年の5月にオープンし、つい先日のGWには一周年のイベントを行い、大盛況であったが、この一年は相当な困難を乗り越えてこられていた。
オープンからわずか二ヶ月後の7月、西日本豪雨により、甚大な被害を受けた。近くを流れる川が氾濫し、広範囲が濁流に飲まれ、水に浸かった。最寄りの駅まで迎えに来ていただいた坂上さんと、その川の横を今回通ったのだが、道路から川までは谷状になっており、その谷を越え、道路の遙か上まで水がきたと伺ったが、実際にその場を通っても、とても信じられないくらいの水量だったのである。道路は岩や瓦礫、倒木などでふさがってしまい、開通するまで二週間かかったという。その間、坂上さんたちは、これまた不通になっている電車の線路の上を歩いて、店へ通ったそうだ。この場所も浸水の被害を受けたが、それでも無事だったメダカも多数いたそうだ。しかし、水道は氾濫した川から引かれており、当然、断水していた。悪いことに豪雨の後は猛暑となり、容器内の水はあっという間に温度があがってしまった。電気もきておらず、水換えをしたくても水もでない。生き残っていたメダカたちだったが、水道が復旧するまでの11日間で、1万匹は死んでしまったという。どうすることもできず、悔し涙を流し「本当に心が折れそうでした」とおっしゃっていた。
それでも友人や先輩方の助けもあり、復旧作業が進められた。「本当にありがたく、こっちではうれし涙ですね」と、周りの人々の有り難みを噛み締めたそうだ。しかし、今年の1月には、盗難の被害に合う。メダカの盗難話しは悲しいことに、各地で聞かれるようになったが、本当に許せない話しである。その日、丹誠込めて育ててきたメダカたちがいなくなっている現場にいる坂上さんたちを想像すると、怒りがこみ上げてくる思いであった。「いい親ばかり持ってかれて」と、採卵シーズンを前にして、この被害も甚大であったそうだ。

そんな艱難辛苦を乗り越え、ある意味、今シーズンは新たなスタートでもあるのだろう。

ハウスの中にまたハウス。冬場の加温はもちろん、その後も昼夜の温度差が大きかったりと、不安定な気候の中、さまざまなメダカたちが殖やされていた。

何種類もの交配メダカの幼魚が群れていた。ある程度累代を進めていても、なかなか形質が固まらなかったりと、思うようにいかないのもメダカである。しかし、「そう簡単にできちゃったら、それもつまらないから」とおっしゃる坂上さん。熱帯魚や金魚からメダカ中心になったのも「メダカの掛け合わせに楽しさと面白さを感じたから」と、その無限の可能性にのめり込まれている。

取材時に泳いでいたメダカたちは、多くが今年の2月に採卵されたもので、幼魚が中心であった。夢中めだかでは、お客さんに長く楽しんでもらいたく、販売するのは生後5ヶ月くらいの若魚で出すそうだが、三色や紅白、墨の濃さなどは1年くらいして固まるので、じっくりと飼い込んでほしいとされていた。

華蓮×煌から作出された“凛華”

体外光を出すために、白容器で育成されており、ここから容器を変えて体色を仕上げていくそうだ。現在、F4まで進めており、完成型の目標としては、頭部を柿色にし、その上で体外光もしっかりと載せる形である。

夜桜×ウコンカブキ

まだ固まってはおらず、何タイプも群れていたが、体外光を持つ独特な色合いのタイプが目についた。

金色夜叉系

紅夜叉を目指して累代中。これもこの後は白容器から移動され、墨をしっかり出すことを目指す。楽しみにされている系統である。

夜桜×黒ラメ黄幹之体外光

F5まで進めているが、オーロラ血統はやはりかなりバリエーションが出る。緑色の体色を目指して進められており、タイプは違えど、発色は緑系になってきている。
個人的にはこちらの黄色系も面白いと思えた。

黄色の体色に青の外光がしっかり載れば、涼しげな姿になりそうであった。

「ひとりでもメダカ好きな人を増やしたい」というのが夢中めだかの方針である。三人皆さんが、楽しみながらメダカに懸けているとのことであった。
「自分が作って、二人が売ります」(坂上さん)
「坂上が作って、二人が殺します」(天野さん)
それをにやりとしながら見ている平松さん
「メダカ屋は楽じゃないです。好きじゃなきゃできないけど、好きすぎてもダメ。売らないで自分用に持って帰っちゃう」「いやいや、ほんの少しだし」といった感じに漫才のようなやりとりをされる三人

チームワークがあるようなないような?
機会があれば、ぜひ目の前で三人のやりとりをご覧いただきたい。もちろん、お客さんには親身になって説明をされていた。

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