「うなとろふぁーむ」来訪
埼玉県富士見市『うなとろふぁ~む』へお邪魔した。
ハウスに沿うような形で桜並木があり、この日は穏やかな晴天ということもあり、春爛漫な眺めであった。前日までは雨や雪のニュースなど、また寒さが戻ったりしていた。ハウス内は冬でも暖かなので、こちらでは年中メダカを見られるのだが、この日はすでに長くハウス内にいると汗が出てくるような陽気であった。
弱くエアーをかけたプラ舟が並ぶハウス内。ミジンコをメインの餌にしながら、この容器で採卵から育成、販売まで行っている。10匹弱の親魚と採卵ネットを入れ、ある程度経つと親を外して青水の元やミジンコを投入し、そのままフ化した稚魚が育っていく。時間が経つと青水も濃くなったり、メダカが成長して汚れてくれば、新水を張った容器へ移すという単純なローテーションで管理されている。特別な水質調整などは、購入されたお客さんの環境と変わりすぎてしまうことを避けるために行わないようにされていた。
ここでも、最近自分が見漁っている女雛や夜桜から見せていただいた。
親の女雛
無選別女雛幼魚の群れ
人気の品種で数を採られている。数系統を試され、しっかりとした柿色表現が出る系統に絞られていた。試した中には出が悪いものもあったそうで、ある程度採ってみて、率の悪い親は使わないようにされていた。
夜桜
黒い体に桜色の頭部、体に舞うラメとオリジナルの女雛をしっかりと意識して殖やされている。こちらでも黄体色の夜桜は出てきたそうだが、これは淘汰されたそうで、最近ではごく稀に出る程度に黒の表現で固定されていた。
女雛、夜桜とくれば、やはり煌も殖やされていた。
ただ、こちらはなかなか体外光の率が低く、女雛ラメの表現の方がまだ多いとされていた。いくつかの表現が見られ、それぞれをどうするかも思案中である。
夜桜は殖やしていると様々なバリエーションも出現する。色味の違うものなどは別系統として分けてもいる。代表の山崎さんは、他種の掛け合わせといった交配はあまりされず、同じ品種を採り続ける中で変わった表現が出たら、それを煮詰めていくというスタイルをとられている。
そんな中でできたもののひとつ、夜桜紅白
一年半ほど前に夜桜の中から紅白が出たそうで、それ同士の交配でF3くらいからほとんど固められたそうである。ラメ表現も出ており、最終的には体外光を乗せる計画であるが、やはりそれにはもう少し時間は必要とされていた。
昨年、初めて訪れた際に、「初めて得られたアルビノラメです」と見せていただいた。
その時にはまだ幼魚サイズであったが、今ではしっかりとした親がキープされており、採卵が行われていた。
こちらは全身体内光からのハウスネーム巫(かんなぎ)
黒い体の全身体内光を目指されたもので、最初に見た時よりも格段に変化していた。独特な体やヒレの黒みがあるのだが、なかなか肉眼で見た表現を写すのが難しい。黒容器ではヒレがわかりづらく、白容器ではまた別の姿になってしまう。なんとも気味悪い(失礼)な表現なので、しっかりと画像にできたらと宿題にしたい。
もちろん、幹之や東天紅など基本種もしっかりと揃っており、様々なメダカたちが出迎えてくれた。開店前の時間からお邪魔させていただいたが、開店時間になると、すぐにお客さんたちが次々と来場されていた。
お好みのメダカを探す方、アドバイスをもらいながら選んだり、とりあえずはミックスから飼い始める方など、初心者から飼い込んだ方まで様々なお客さんが訪れていた。
今年からひとり増え、スタッフ3名となった「うなとろふぁ~む」だが、数組のお客さんが同時に訪れ、それぞれの方々とお話をされ、お忙しくなったところでこの日は退散させていただいた。春爛漫、メダカも人も盛況であった。