メダカ愛好家宅訪問 1 コルア 鈴木真太郎氏の作るメダカたち
先週末の浜松行、日曜日の『猫飯フェスタ』の前日に浜松入りし、まずはメダカ愛好家宅へお邪魔した。
まずは『コルア』鈴木さん宅へ。
鈴木さんのメダカに魅力を感じたのは二年前のこと、『猫飯フェスタ』に良く出来た透明鱗三色を初出展された時のことだった。
「良い魚だね!」と鈴木さんに声をかけさせて頂いたのが最初であった。初参加だった鈴木さん、「売れますかね?」と少々不安そうな言葉を口にされたのだが、「大丈夫!必ず売れますよ!売れなかったら、私が買いますから!」と言ったところ、開始一時間ほどで透明鱗三色は簡単に売り切れてしまい、もし売れ残ったら自分が持ち帰ろうと思っていた目論見はもろくも崩れたのが忘れられない。
今回も素晴らしい透明鱗三色を育てておられた。
以前はアリゲーターガーなど大型熱帯魚を飼育されていたそうだが、結婚して引っ越すことから、手放すことになったと言われる。その後、メダカをもらう機会があり、そのメダカが卵を産んで殖えたことが大きなきっかけになったそうである。
そこから興味を持たれ、ネットで調べるうちに猫飯を知り、訪問された際に見られた幹之の姿に「メダカでこんなのがいるのか!」と驚かれ、よりのめり込んでいかれたそうだ。
鈴木さんの飼育場はビニール温室になるのだが、この温室は鈴木さんのおじいさんの手作りで、鈴木さんが生まれた年に建てられたものだそうだ。
中にはコンテナボックスを中心に数多くの容器が並ぶ。小さな容器は、翌日のフェスタ用のメダカを選ばれているもので、「これを出してしまうのですか?」という魚が多数入っていた。それらのメダカは、案の定、翌日のフェスタでも人気であった。
お得意とされる三色ラメ
「柄をとったらラメが少なくなるし、赤の濃さをとってもラメが減る」と悩ましい存在であるそうだが、だからこそ取り組み甲斐がある存在になっている。
種親はオス3にメス9といった感じに組まれている。親の容器で目についたのが女雛の容器。
女雛ラメ
「色よりラメ重視」とおっしゃっていたが、色味も十分に綺麗な個体が泳いでいた。
その横にはお気に入りというメダカで、目を惹いた派手な姿
女雛ラメかと思いきや、オーロラブラックから出たものだそうで、この頭赤の姿はメス。オスはオーロラブラックの黒の姿という形に分離していた。この組み合わせの先が楽しみになった。
琥珀ラメ幹之とクリアブラウンラメ幹之、鈴木さんはラメ系統も質の高いメダカを作り続けておられる。
黒ラメ黄幹之体外光。良い仕上がりである。
三重の川戸系のカブキも繁殖されておられた。
“黒龍姫”の呼称で流通している紅薊系のメダカである。
こちらはブラックオーロララメ幹之、目立たない品種だが、この個体を見て、この系統を見直してしまった。
鈴木さんは、お仕事が忙しい時には、一週間温室に入らないで放置してしまうこともあるそうで、冬の休みにはご家族でスノーボードに出掛けることも多く、今年の猫飯フェスタが3月といつもより早いと連絡をもらい、少々、焦ったそうだ。慌てて出品するメダカを用意されていた最中であったが、出される予定の個体たちはどれもしっかりとしていた。
今年の繁殖シーズンも本格化し、鈴木さんもギアアップされることだろう。今年の鈴木さんの魚も楽しみである。