シリケンイモリ
日本に生息するイモリ三種のうちのひとつがシリケンイモリである。アカハライモリとは生息域は被らず、奄美大島や沖縄本島とその周辺の島に生息する。奄美大島に生息するものを基亜種として、アマミシリケンイモリとオキナワシリケンイモリの二亜種が知られている。
アカハライモリと同じように腹面は赤色をしているが、アカハライモリに比べるとオレンジがかる色合いをしている。そこに黒い斑点が不規則に入るが、アカハライモリほどの腹面のバリエーションはない。
名前のシリケンの由来は“尻剣”からきており、アカハライモリよりも長い剣のように尖った尾を持つ。実際に見てみるとわかるが、体のサイズもアカハライモリよりふたまわりほど大きく、存在感のある体をしている。
特徴はなんといっても、その派手な姿にある。
アカハライモリが腹面以外は基本的に真っ黒なのに対し、シリケンイモリでは体に赤やオレンジのラインが入る個体が多い。また、特にオキナワシリケンイモリでは、金箔のような模様が入り、非常に美しい。
その金箔模様も、スポット状に入るものから全身を覆うように入るものまでバラエティに富み、美しい個体は海外の愛好家からも注目される存在である。
中には金箔や赤いラインがほとんど入らない個体もいる。
ごついアカハライモリのような感じでもあるが、これもバリエーションのひとつでもある。
飼育自体はアカハライモリと同様に楽しむことができるが、大柄なこともあり、飼育容器はより広い方が望ましい。また、アカハライモリよりも陸上で活動することが多いのもシリケンイモリの特徴である。現地では水場から離れた道路を歩いていたり、森の中ででくわすこともある。飼育容器もテラリウムのように陸場を設けてやれば、立体的に活動する姿を観察することができる。