中里氏と進める“ブラックリム・プロジェクト” 1

一昨年から昨年春まで、神奈川県川崎市在住の中里良則氏のオロチを使った交配例を、“オロチプロジェクト”として、ブラックダイヤが完成するまで、そしてその傍系のメダカの変化過程をご覧いただいてきた。

その後、中里氏は“クリアブラウン”の直系を入手され、“クリアブラウン”に幹之メダカを交配されたり、オロチを交配されたりと“ブラックリム”系統の交配を始められた。

昨年の7月、体外光を乗せる方向で、ウチにいた、オーロラ黄ラメのメスに中里氏がずっと累代繁殖されている幹之スーパー光(もはやこの呼称は死語かもしれないが…)のオスを交配していただき、体外光が乗ったメダカ作出の過程を確認する作業を実行して頂いたのである。中里さんは、普通には“フルボディ(本来ならフルラインと呼ぶべきだとは思う)”と呼ばれる幹之を4、5年前には完成されておられたのだが、中里氏が“フルボディ”という呼称を使われることはない。

卵から三ヶ月でこの姿になるのが、中里氏の系統である。

オスでも吻端まで幹之メダカの輝青色の体外光が乗る系統で、幹之メダカをずっと見続けてこられた方ならご存知だろうが、この輝青色の体外光はメスで強く出やすく、オスでは幅が狭かったり、なかなか吻端までいかない時代を経て、現在の雌雄ともに“フルライン”と呼べる幹之が普通に見られるようになったのである。

「なんでメスに輝青色の体外光が乗りやすいか?」と考えると、メダカの性染色体上にこの輝青色の体外光が乗る遺伝子が乗っていると仮定出来るのである。

メダカもメスはXX、オスはXYで、オスのY染色体上に、この輝青色の体外光が乗る遺伝子がなかったのではないか?と考えられるのである。

中里氏の幹之をずっと見せて頂いてきて、4、5年前にオスのY染色体上にもこの輝青色の体外光が乗る遺伝子が乗り移ったのではないか?と思っていたのである。これはあくまでも私個人の意見であって、正しいかどうか?は不明である。

その自分の考え方を中里氏の幹之メダカのオスを、オーロラ黄ラメのメスに交配することで、そのY染色体を子孫がもらえれば!?と思ったのである。

メスに使ったオーロラ黄ラメはこの個体たちである。ラメ鱗の多さ、体形など、決してグレードの高い個体ではないが、体外光を乗せながら、中里さんの幹之メダカの体形をもらったり、中里さんの厳しい選別によって、体形を直すことは難しいことではないと思った。

そのF1は実は9月下旬には送ってくださっていたのだが、取材に出ることが多い時期に重なり、なかなか撮影できないでいたのである。

すると、12月上旬にはF2がドサッと送られてきてしまい、まだ、少し若かったこともあって、それを一ヶ月ほど飼育して、ようやく撮影出来るサイズにまでなったのである。

この記事で紹介させて頂くのは、F1個体である。F2は今晩、じっくりと撮影する予定である。

この3個体は全てメスである。交配した一世代目で体外光は移行したのである。

こちらの3個体は全てオスである。体色的には、オーロラ黄ラメでも幹之でもなく、強いて言えば“川メダカ”体色のようなF1で祖先の体色が現れたと考えるのが妥当であろう。

それより、「やった!」と思える個体が、一番下のオスである。F1で中里氏の幹之から体外光がオスからオスに移行したのである。

それらを用いてのF2は当然、表現はバラけるのであるが、とても面白い個体が何匹も見られる。それを選別しながら、次回の記事でなるべく多くの個体をご覧いただこうと思う。

「“オーロラ”、“ブラックリム”系統のメスを用い、Y染色体上に輝青色の体外光が出現する遺伝子が乗り移った系統のオスを使えば、F1から体外光が移行する」ことが一つわかった。

自分の好みの体外光を持ったメダカの作出を多くの人にチャレンジして頂きたい。

雌雄、1対1掛けでF2を採るなら、自分ならこのペアを選ぶだろう。

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