楊貴妃透明鱗ヒカリ“紅”
透明鱗を持ったメダカが改良メダカの世界で知られるようになったのは、2006年のことで、その透明鱗性を楊貴妃メダカに交配し、2008年に固定されたのが、福岡県の小宮正城氏である。
楊貴妃透明鱗ヒカリ“紅”は、2009年、小宮氏が作出、第一回秋季日本メダカ品評会の一水槽部門で第一席を獲得されたことで注目された。当時の出品魚名は楊貴妃透明鱗ヒカリで、その後、ニックネーム“紅(くれない)”として発表された。
透明鱗メダカは、横から見るとエラ蓋が透けて、中のエラが赤く見える特徴がある。楊貴妃透明鱗の体色の表現としては、部分的に朱赤が色抜けすることで、朱赤色が頭部だけに強く現れる個体や、体側や背面に飛び飛びに朱赤色を持つ個体、各鱗辺が褐色に縁取られる個体など、表現のバリエーションは非常に多い。朱赤色が抜けることで、紅白や更紗、丹頂といた二色の模様表現を楽しむことができるようになったものである。その後、この二色表現のメダカにブチ模様を持ったメダカを交配することで、後の大人気品種である透明鱗三色へとつながっていくことになる。
先日の楊貴妃ヒカリの中に透明鱗の個体も見られた。
上見でも違いがわかる
右が普通鱗、左が透明鱗である。
性格的にキツイのか、オス同士はよくヒレを広げあって体側誇示をしている。
ただ、透明鱗の方はもう少し赤みが欲しい姿をしている。
気持ち背びれも小さめ。ビシッと尾をあげて欲しい体である。
メスはプロポーションもいい感じ
普通鱗のオスは色みも形もよいので、このオスが透明鱗になるといいかもしれない。
なんて見ていると
さっそくその2匹で産卵行動をとっていた。
卵を持ったことは持ったが
気持ち卵が小ぶりな感じもした。
ここからどんどんと産んで行けば、卵の数や大きさも変わってくるだろうか。