磯観察の敵は風
冬の磯での観察はいろいろな生き物と出会うことができる。気温も10度を下回るようにもなったが、海水温はまだそれほど下がってはおらず、手を入れても痺れるような感じではない。
ただ、風が吹いていると話は変わってくる。濡れた手が風に晒されると、やはり寒く感じるものではある。むしろ、ずっと水に浸けている方が楽なくらいでもある。
そして、風の影響はもうひとつある。なにしろ水面が波打ってしまうのである。こうなると、いくら潮が引いて見やすくなっていても、お手上げになってしまう。
波打つ水面の下になにか黒いものが見えた。
正体はミミイカ
数度の波をやり過ごして、やっと確認できた。
波が引いたら、すでに姿がないなんてこともあり、寒さは気にならない程度だったが、風と波に悩まされたものだった。
波のない小さな潮溜まりを見ると
明らかにゴミでないものが水面にいる。風の起こす動きとは明らかに違う蠢き方
アカエラミノウミウシ
しばらくすると、水面から岩肌を伝って水底に移動していた。
ヤドカリの仲間はやや少なめか
ケアシホンヤドカリが海藻を食べていた。もう少しすれば、メスを連れ歩く姿が見られるだろう。
こちらはムカデメリベ
ウミウシの仲間だが、アオやシロウミウシのような可愛さはなし。サイズも大きく、おどろおどろしい感じである。
波間にこれこそ海藻の切れ端か?と思った。
タツノオトシゴであった。
こんな獲物が出ると嬉しいものである。
そして冬磯の主役?
ダンゴウオ
ユーモラスな顔の人気者である。
撮影されて驚いたのか、泳ぎだしたのだが波に翻弄される。
見失ったぁと思ったら
自分の足にくっついていた。
吸着力は強く、このまま動いても頑張ってへばりついていたものだった。