黒幹之
2007年頃から流通するようになった幹之メダカは、それまでの改良メダカには見られなかった青みがかった発光部位を持つことで、大きな注目を浴びた。当初は背ビレ周りにポツンと光る程度で、のちに点光などとも呼ばれるものであったが、その後、その部位を伸ばす改良が進められ、今では口先から尾の付け根までが光に埋め尽くされるようにまでなった。
幹之の体色としては、青幹之と白幹之が知られており、当初は他の体色には幹之独特の発光部位が乗らないのではないか?とも言われ、体色のあるメダカにこの発光部位を持つメダカは夢の存在とも言えるものであった。そんな中、幹之メダカの体色に対する改良が各地で進められ、黒い基調色を持つ幹之メダカが作り出された。
愛媛県の『極めだか』では、口先まで光の乗った幹之“極龍”にピュラブラックを交配され、愛知県の『岡崎葵メダカ』では青幹之ヒカリに白幹之体内光を交配することで、“カブキ”を作出され、その過程で黒体色の幹之が作り出されるなど、様々な方が数年単位の選別淘汰を行い、黒体色の幹之が作り出された。
通常の幹之の明るめな姿とは違い、黒の基調色を持つことで独特なシックな雰囲気を持つメダカになっている。さらに背中を走る体外光も、基調色の影響からか青みがかったものやブロンズがかったものなどバリエーションが見られる。
青みがかったタイプ
ブロンズがかったタイプ
水槽に入れて横から見ても、通常の幹之とはまた違った印象を受ける姿をしている。
2015年に撮影
この時点では、まだまだ体外光は幹之としてはローグレードであった。
2017年撮影
通常の幹之同様に、体外光はどんどん伸びていき、最近では口先まできている。
幹之の黒体色としては、黒ラメ幹之もよく知られる。岡山県の『静楽庵』によって、オーロラ幹之より見いだされ、体外光よりもラメを多くするため白ラメ幹之が交配され、多色ラメとして作出された。
黒幹之から黒ラメ幹之が作られたように見えてしまうが、このように別のアプローチで作られたのも改良メダカの醍醐味と言えるだろう。