女雛

“女雛”は、その呼び名と、柿色と表される明るいオレンジの色合いを持ち、発表当初から注目度の高い品種で、メダカ交流会inエヒメの垂水政治会長によって作出された。
作出過程では、ラメを持つ個体も得られ、そのラメを増やす方向で選別されたものは“夜桜”と命名された。“女雛”のような派手な色彩は持たないが、青黒い中にピンクがかったオーロラのような下地に鮮やかなラメが全身に入る姿で、こちらも人気の品種である。さらに作出者の垂水氏は、“女雛”がほぼ固定できたと判断され、「“女雛”の最終形」として、“女雛体外光”の作出にも取り組まれ、さらにゴージャスな姿の“煌”として発表されている。


“女雛”は、“黄桜”とオーロラ幹之の交配から作られた。“黄桜”は、垂水氏が非透明鱗の二色、三色メダカに幹之のW光を交配し、その子にアルビノラメヒカリを交配して作出された、黄と白の二色の体色を持つ“黄幹之”とも呼ばれる品種である。

2017年撮影の黄幹之

オーロラ幹之は、岡山県の静楽庵によって、青幹之とアオメダカの交配から作られたもので、オーロラのような体色に体外光を持つ品種で、その後、多くの愛好家が手がけるようになった。

2015年撮影のオーロラ幹之。オスは黄頭表現になっていた。

この交配から得られた複数の表現の中で、黄の発色をより強くし、柿色の表現を目指して選別累代されたものが“女雛”になる。この柿色のインパクトは強く、初めて見た人々の目を強く惹いたものであった。

2017年に初めて生で見た“女雛”。頭の発色部位と色合いが強く刷り込まれたものだった。当時、頭部に柿色が集中した個体が他にも紹介され、その表現の印象が強いが、柿色の発色部位は全身に及ぶ。色の入り方ではなく、その色合いが“女雛”の最大の特徴である。
最近では、“女雛”として紹介されていても、色合いが変わってきている場合も多い。そこで、最初に見た姿の“女雛”を復元してみたいと思ったものである。そこで二系統の“女雛”を入手した。

ひとつめのグループ。柿色から紅に近いもの、薄れているものも見られ、柿色がなくラメの強い“夜桜”表現や、微妙に体外光の入った“煌”表現の個体もいる。ラメや体外光のない柿色表現の個体で卵を採ってみる。

もうひとつは、多少の差はあれど、どれも柿色の表現を持っているが、ラメの出が強くなっているか。
これらを使って卵を採ってみて、どのような表現が現れてくるか追ってみたい。

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