兵庫の遊楽園へ

今回の取材旅のもうひとつの柱はメダカである。
まずは兵庫県の遊楽園にお邪魔した。
こちらは小売もされているが、メインは業者向けの卸業になる。その扱い方を見たら、なるほどこれこそ卸だと思わせるものであった。
最寄り駅まで迎えに来ていただいた代表の川島さんの車に乗り込み、数分もすると青い発泡スチロールが目に入った。が、入ったどころではなく、地平線まで続いているかのような光景が広がっていた。

こちらは育成用のスペース。この絵面も並んだ発泡の一部である。全貌はとてもではないが、一画面に収めることはできないものであった。
扱う品種数は優に100種を超え、「だいたい120種くらいかな?」と言われる。数が多すぎて、どこになにがいるかわからないと笑われていたが、確かにここから例えばひとつの種を探すのは骨が折れる。ひとつひとつには名札が入ってはいるのだが、それをのぞき込みながら歩いていると気が遠くなる想いであった。「なんで、○○と○○といった品種指定の注文が一番困る」と、これも笑われていた。稚魚や幼魚など小さいサイズでの出荷はされたくないそうで、少なくとも産卵できるサイズでの出荷を心がけておられ、品種関係なく、育ったものから出荷をするようにされていた。
こちらは育成場から数分のハウス。小売用のスペースである。

普段から開放されているが、年に四回ほど感謝セールと銘打ってのイベントをされており、その際には前の道路が入場待ちの車で大渋滞してしまうほどだそうだ。
稚魚育成ハウスの外に並ぶ発泡は種親の採卵用

お伺いしたこの時期には、すでに採卵は終え、ほとんどが空になりリセットの最中であった。最盛期には相当見応えがあるだろう。
発泡には細かな工夫もされていた。

環境の変化に負けない丈夫なメダカにすることを心がけ、雨ざらしの状態であるため、水抜き用にメッシュのゲートが作られていた。この目の大きさは親用、稚魚用にはさらに細かなメッシュが用意されていた。
産卵床は大きめのタッパー容器に収容する。

こちらも入れてからはほぼ放置。水換えもせず、蒸発した分を足し水する程度でひと月ほどこのままで育成し、その後、外の発泡へ移動する。強く丈夫なメダカにするため、水の調整などはしないようにされていた。

それにしても、どこを見ても容器の多さに圧倒されたものだった。もちろん、その中に山ほどいるメダカたちにもである。掛け合わせなどはあまりせず、同じ種でひたすら卵を採るスタイルをとられている。稀にでる変異を楽しみに、それを煮詰めていくような繁殖スタイルである。「珍しいのはいないよ」とされるが、軽く見られがちな基本品種をしっかりとした姿で生産されていることにこだわりを感じたものであった。
ブラック系はやはり人気が高い。

オロチや梅本ブラックの他、サタンや松井ヒレ長のブラックの稚魚たちも群れていた。
東天光

自分も好きな品種であるが、最近はしっかりとした体形の魚が減っている。これは欲しいと思えた姿であった。
古い品種などではF20程度は当たり前というほど、しっかりと維持育成がされていた。
こちらは黒百式梵天

黒幹之を繁殖しているうちに全身体内光が得られた。さらに進めるうちに骨黒がでて、透明鱗も得られた。この姿になってF8ほど、持ち込んだ卸でも注目されたそうで、頭光の率をさらにあげるよう選別されていた。

こちらも詳しくはメダカ百華6号にて紹介させていただく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です