第63回日本らんちう協会全国品評大会
今年の集大成、日らん全国品評大会が行われた。
各地の品評大会が行われ始め、「今年も始まりましたねぇ」などと話していたのがついこの前のような感覚であるが、終わってみればあっという間の今シーズンであった。
昨年、いろいろと楽しませてくれた二歳魚を親魚にと取り組んでいたが、夏前くらいから怪しい素振りが見られ、結果、腸満にしてしまい個人的な今年のらんちゅうはシーズンインすることなく終了してしまった。今年の日らんでは所属会の仲間の活躍や親しい方々の悲喜交々の姿があった。その中に入れないのはやはり寂しいものであった。
今年の日らんは天気の心配のない予報であったが、最低気温は10℃を切るかという状況。名古屋には前日入りしていたので、早朝にホテルを出ると寒さを感じた。
会場では当番本部の中部の方々が準備を整えていた。
準備された会場の水も相当冷えていただろう。自分も以前にしたことがあるが、魚を連れてきた人たちは、移動時の水温にも気を使っていた。ある方は早めに会場入りして魚の入った袋を外気に晒したり、バッグに保冷材を入れたりなどして、低めの水温に馴らすことをされていた。温かい水にいたらんちゅうは、冷たい水に入れられれば泳がなくなってしまうこともある。わずかな時間で審査をされる状況では、審査たらいで泳がなければおしまいである。出品してしまえば飼い主にできることはもうない。
ギリギリまで皆が自分の魚をベストの状態にするよう努力されていた。
受付が開始される。受付表を記入し、提出するための行列ができていた。
魚の受付。仲間や有名人?の出品魚は気になるもの。そこかしこで盛り上がっていた。
そして、ついに開会である。
開会式からすぐに集合写真
毎度のことながら顔の判別がつかないくらいである。公園の木々の間ギリギリまで下がったものの、画面に収まりきらずに斜めに撮影(汗)
そして三部門同時に審査が開始された。
休憩をはさみながら審査は進む。
100匹が出品された親魚部門
審査場でちょっとしたどよめきが起こっていたが、それは1次審査で30点が出たとのこと。これは6人の審査員全員が5点満点をつけたということである。
この魚は六面の格付け審査でも1位を獲得、見事日本一に輝いた。
親魚の部 東大関 東京 稲村俊明氏
親魚の部 西大関 千葉 大久保義彰氏
続いて178匹の出品の二歳魚
東大関を獲得した魚は、昨年の第62回全国品評大会で当歳東大関を獲得した魚。二年連続の獲得に大きな話題となったものである。
展示盆に魚が上がり、仲間から祝福される竹内氏。個人間の戦いではあるが、仲間の成績を喜び合う姿がなんとも言えない素晴らしい雰囲気である。
二歳魚 東大関 愛媛 竹内誠司氏
二歳魚 西大関 東京 青木浩一氏
そして花形の当歳は375匹の出品
当歳の洗面器は76枚である。実に約300匹が審査場から出ることなく、観覧されないという熾烈な争いである。親や二歳も上がるのは56匹のみ。どこも厳しい戦いが行われたのであった。
当歳魚 東大関 福岡 東 秀明氏
当歳魚 西大関 佐賀 野田善洋氏
当歳魚の展示場には大勢の人がまだかまだかと魚の上がってくるのを待つ姿があった。
自分の魚はもちろん、仲間の魚の結果も気になるものである。
会場の名古屋鶴舞公園
大型の公園で、通りがかった一般の人たちも興味を惹かれ、足を止めていた。
展示場の先頭には各メーカーのブースが設置された。
飼料や飼育器具などを並べ、訪れる方々へ商品説明や飼育相談などを熱心に行っていた。飼育者たちも自分の使っている餌などの販売元に直接話しを聞けるよい機会であったろう。
すべての魚が並び、ビデオやスチール撮影が終わり、観覧が全開放されると、洗面器周りはあっという間に人で埋め尽くされていた。
今年も多くの人の悲喜交々、様々なドラマがあった締めくくりにふさわしい大会であった。