Fuji Aqua Green 訪問
静岡県の『Fuji Aqua Green』に初めてお邪魔したのは2019年の夏であった。その年の夏に店舗としてオープンしたばかりのタイミングであったが、店主の川口さんが「日本一汚いですよ」と先におっしゃっていたのが印象的であった。確かに店舗奥に続く繁殖棟の状況は機能重視で、なかなかな状況になっていおり、整頓された小売スペースとのギャップは激しかったのを覚えている。それから3年、以前の場所からは引っ越され、より大型のハウスを構えられていた。
ジャンボダライがずらりと並ぶハウス内。これで全体の1/4程度の光景である。大型のハウスになったことにより、ひとつひとつの容器も大型化され、メダカの生産量も格段にアップされていた。
さらに屋外にも大型のプールを含む巨大な容器群が控えており、幅広い層から人気を得ている各種のメダカが殖やされていた。川口さんのメダカは、整った体形に作られており、若々しく活発な動きを見せる。
今回、メインに見せていただいたのは“そうめんワイドフィン血統”である。
“そうめん”?と思ってしまうが、これは“マリアージュロングフィン”をリアルロングフィン化させた交配系統で、今年の夏にお邪魔した際に“リアルロングフィンのマリアージュ交配系”として進めている個体として見せていただいていた。たなびくヒレの姿から“そうめん”と名付けられたそうだ。
“リアルロングフィンマリアージュ”דリアルロングフィン紅白マリアージュ”の交配が元になっており、色つきキッシングタイプや紅白タイプなど、複数の系統が進められていた。
ハウスの横にはコンテナが置かれており、その中は加温設備となっていた。外は寒風の吹く12月であったが、ここでは採卵と稚魚の育成が精力的に行われていた。水槽を使用しているため、セット当初は管理にてこずられたそうだが、それも今では笑い話になっていた。
採卵セットが組まれていた“喪屍(ゾンビ)”。黒体色でブルーアイの姿は独特であった。友人の猿めだかさんが作出されたメダカだそうで、松井ヒレ長タイプや普通ビレのタイプが見られた。
基本品種を大型槽で生産されながら、加温水槽ではこうした特殊系や交配系統作りを精力的に進められており、今後も面白いメダカを見せていただけそうである。