メダカの異品種交配 04 “鳳(おおとり)”を殖やす。
このブラックリム系のメダカは、広島県福山市にある『栗原養魚場』で繁殖された、“鳳(おおとり)”である。
“鳳”は、栗原さんが、小寺氏が作られた三色ラメに乙姫と灯を交配された系統である。
こちらは黒が強く出る“鳳”の一つの個体群で、栗原さんが2018年春に、岡山県総社市にある『夢中めだか』に託されたタイプである。
こちらは兵庫県姫路市にお住まいの、亀山尚泰氏が飼育されていた“鳳”で、黄斑の色合いが特徴的な個体群であった。
この黄色っぽさの話しを交配者である栗原氏に伝えたところ、「灯の血統が入っているからではないか!?」と言われていた。
“鳳”に関しては、三色ラメからオーロラ血統、非透明鱗三色血統が、乙姫からは紅(くれない)血統、クリアブラウン血統が、灯からは幹之血統、クリアブラウン血統、緑幹之血統、粋流し(きながし)血統があることは間違いなく、それがどのように組み合わさって、現段階では色柄にバリエーションが多いのである。栗原さんは、「まだ“鳳”は固まっていない」と言われる。
上がオス、下がメスの“鳳”である。これは栗原さんが2018年10月まで飼育していた個体である。
ダルマタイプも出現する。
この“鳳”を累代繁殖させるとともに、メスがまだ若く、繁殖力も旺盛なので、別系統を1:1で交配したものも進めたくなった。
そこで交配に使いたくなったのが、黒っぽい基調色を持った灯であった。
上が灯のオス、下が“鳳”のメスである。灯は体の前半部に黄色色素を持っており、色合いの相性は悪くない気がする。栗原さんが維持されている灯とこの灯には類縁関係は「灯というハウスネームを持つメダカ」であるだけで、血筋としては遠いかもしれないが、「灯との戻し交配」と言える可能性も高い。
このペアから“鳳”がどんな変化を見せるか?楽しんでみたいと思う。