『めだかの館』行きから始まった広島、九州の取材旅行 1

7月5日、改良メダカの趣味を全国に広く拡大させた、広島県廿日市にある『めだかの館』に向かった。

『メダカ百華 第5号』の編集を急ピッチで進めており、最後のパーツを埋めるための取材であった。

『めだかの館』では、村長を始め、長男である秀幸さん、三男である貴保さんが主に繁殖、販売、撮影、カタログや『めだか新聞』の発行を行っているのだが、今年から、次男である英司さんが改良メダカに興味を持たれ、本業が研究職ということもあって、急速に改良メダカに関する知識を吸収されておられる。

そして、この『めだかの館』の繁殖設備で改良メダカの交配が日々進められているのである。

アルビノ楊貴妃である。つい先日、自分も愛知県一宮市の『グリーンベール』さんで分けていただいた品種で、『めだかの館』ではこういった基本品種もしっかりと維持、繁殖されておられるのである。

ピンクスワローである。遺伝するスワロータイプを各品種に交配することで作ることが出来るのだが、広大な飼育設備と膨大な飼育容器を持つ『めだかの館』だからこそ、こういった品種を繁殖、販売することが出来るのである。

2018年販売の白ラメ幹之である。
2012年に発表された白ラメ幹之、それから6年、呼称的には、変わらず、同じ“白ラメ幹之”であるが、この鱗辺全体にグアニンの輝きを持つまでに姿を美しく変貌させているのである。

例えば、文章で白ラメ幹之×ブラックリム(クリアブラウンタイプ)を交配させたとしても、移行する鱗辺のグアニンの質は異なってくるのである。

よく取材させて頂いている時に、元親となった品種名を尋ねさせて頂くのだが、タイプとしての情報は伝わるものの、その細かい部分、遺伝的な情報は異なっていても何ら不思議ではないのである。

それが改良品種の面白さでもあるし、難しさでもある。

こちらは灯×三色ラメ幹之である。

この組み合わせでの繁殖はメダカ愛好家も試みていることだろう。ただ、これは『めだかの館』の灯×三色ラメ幹之である。言葉として「灯×三色ラメ幹之」であっても、それぞれ異なっても不思議ではないのである。

『めだかの館』は、間違いなく、血統的には日本で最も多くのメダカをストックしている場所である。メダカを始めとする改良品種は、どれでも種親となった元の品種が存在する。「自分が作った!」と軽く言う人がいるが、種親を作った方がいて、それを使って新たな表現のメダカが出来たとしても、その先駆者に対する感謝の気持ちを忘れるようでは、その人の底は知れている。やはり「改良と保存」この両輪を同時にコントロール出来てこそ、改良品種は楽しめるのである。

今回、『めだかの館』にお邪魔させて頂いたのは、秀幸さん、そして大場さんがどんな交配を試みているか?見せて頂きながら、その結果をまた楽しみに待ちたいからである。『めだかの館』でメダカを見せてもらうと、やはり新たな方向も想像できるし、予想も出来る。そして、もう一度、交配を止めて、以前の品種を見つめ直すことも出来るのである。

そして、今回、大雨であったこともあり、先日、NHKでテレビ放映された『めだかの館』の室内に飾られたセットを撮影させて頂いた。

このセットには、大場さんの「せっかくメダカと知り合い、日本人として生まれ、日本の淡水魚であるメダカなんだから、その自然、文化にマッチした楽しみ方も提案していきたいという想いからである。

「水草、水生植物、焼き物、そしてメダカ」これで癒しの空間を作ることを提案したいと言われるのである。

日本の文化の勉強にも繋がるし、その中でメダカの文化というものに繋げていけたら!と思っておられるのである。

「山があり、川があり、その絵がある」、「そして日本の四季が絵に描かれる」…「そういった部分がメダカにあっても、良いんじゃないか!」と大場さんは言われるのである。

先駆者であればこそ、あるがゆえに、大場さんは外野から色々と言われる部分もあるのだが、改良メダカの世界の礎を作られた改良メダカへの情熱は常に持っておられるのである。

『めだかの館』では線状降水帯の停滞もあって、強い雨が降り続いていたのだが、館内では、大場さん、秀幸さん、英司さんと共に、改良メダカについて、様々なことを談笑する楽しい時間を過ごせた。

この日は、広島から新幹線で熊本入りするつもりだったのだが、大場さんが「熊本まで送っていくから!」、「毎月、熊本まで皐月を仕入れに行っておられたそうで、本気で言われていたのである(汗)

「いやいや、そんな申し訳ないですよ!」、「雨だし、それもかなり強いし」とお断りしたのだが、大場さんは本気で車も用意され、結局、二人の珍道中が始まってしまったのである(汗)。

しかし、雨中の二人だけの珍道中は、ずっと改良メダカの話をしながらの楽しいドライブとなった。

のだが…

7月6日以降、九州、中国、四国地方に大きな被害を及ぼした豪雨に見舞われることになったのである。

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