昨年の12月に第二刷を発刊した『メダカ百華第4号』、お陰様で年末年始の休みの間も日々、Amazon、当社ホームページから注文をいただき、1月1日の元旦だけ出荷作業だけ止めて、あとは毎日、梱包作業をさせていただいた。

「メダカの人気は凄い!」を出荷作業で実感していたりするのである。

となると、やはり『メダカ百華第5号』についての企画を考え始めないといけない。第4号を超える内容にするっていうのは、大変な作業になりそうだが、日々、姿を変化させる改良メダカ、もういくつかの企画は進行させていたりするのであるが、内容については、もう少ししてから発表したいと思っている。

「いやいや、その前にメダカの撮影をして目を鍛えないと!」ということで、2018年最初のメダカ撮影をやることにした。

今日の撮影は神奈川県川崎市在住の中里良則さんが進めているオロチプロジェクト、その中のオロチ×楊貴妃のF2を撮影した。

F1については、

“オロチ” プロジェクト 2

こちらをご覧いただきたい。

オロチ×楊貴妃のF2である。上が楊貴妃体色の個体、下が普通のブラックメダカタイプの体色の個体である。

これがオロチ×楊貴妃のF2で出てきた楊貴妃体色の個体である。やはりF2で楊貴妃体色の個体が多数出てきた。体色的には楊貴妃の朱赤色とオロチの黒色は明瞭に遺伝し、分離することが判った。ただ、何故か楊貴妃体色の個体は透明鱗性が遺伝したものが多い。
オロチは透明鱗性を持っているのだが、F2で楊貴妃体色のものに高率で透明鱗性が遺伝したことは興味深い。

この個体は楊貴妃体色。ただ、この系統も卵からこのサイズまで一切、陽の光を浴びていないので、朱赤色は薄いが、これも実験的な意味合いで、「室内でどこまで朱赤色が出てくるか?」を観察したかったのである。

この個体ではっきり見えるのは、尾ビレ外縁の白い縁取りである。これはオロチが持っている特徴で、楊貴妃メダカには見られないもので、色素的に楊貴妃+オロチが混ざったことを示していると思える。

この個体も楊貴妃体色。

この個体は青体色。青体色が出てくることはオロチ血統から考えて不思議ではないのだが…

この個体は白体色である。白体色が出てくるって…???オロチも楊貴妃も黄色素胞を顕性ホモで持っているはずで、なんで白色体色が分離してきたのか?今、考え中である。

オロチからの子孫であることをよく表している個体である。ただし、普通眼で、真っ黒ではなく、黒蜂タイプという方が良いだろう。

こちらは普通にブラックメダカと呼ぶタイプの体色である。この個体も尾ビレ外縁に白い縁取りを持っている。

楊貴妃メダカと琥珀メダカが表裏の関係にあることを示したのが、この個体である。楊貴妃とオロチの交配によって、琥珀メダカの表現を見せる個体が出てきたのである。

BBRRの遺伝子がオロチから受け継がれたことで、楊貴妃メダカの普通体色型の琥珀表現がこのように出てきたのである。
最近見られる琥珀メダカより琥珀メダカらしい表現である。

この交配は中里さんはF2の段階で中止された。楊貴妃メダカの体色に好影響が及ぶことを期待したのだが、オロチから来た透明鱗性が楊貴妃メダカの朱赤色を濃くすることに邪魔をする可能性が高いからである。

これを数世代進めるより、更に面白い交配に時間を費やすこと、それを中里さんは選んだのである。

このオロチプロジェクト、今日、明日でも新たな交配例を紹介すべく、撮影をする予定である。

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