“オロチ”プロジェクト 6

“オロチ”プロジェクト 5で紹介させて頂いた、“オロチ”ラメは、やはり「新しい表現」として、多くの方の注目を浴びているようである。

ヨタロ~ピッカピカのメダカ生活、こちらでも“オロチ”ラメが紹介されている。
http://yotaro185.jugem.jp

神奈川県川崎市在住の中里さん、ランダムな交配をすることはなく、F1、F2から「これは使える!」という個体だけを選別交配して次世代に向かって繁殖されておられる方である。

今回は、ほとんど注目されないかもしれない、“オロチ”プロジェクトの一つの交配例を紹介することにした。

それは、“オロチ”×白メダカである。
「真っ黒な“オロチ”と白メダカ?」と思われるかもしれないが、そこには、もちろん、意図があってのことである。

“オロチ”×白メダカのF2個体である。

“オロチ”という真っ黒なメダカを作出されたのは、奈良県の飛鳥めだかの谷國昌博氏である。これまでのブラックメダカのイメージを一新、それまでは太陽光を浴びなければ黒くなかったメダカを顎下から腹面全体まで真っ黒、しかも太陽光を浴びることがなくても、真っ黒になるメダカに仕上げられたのである。

「その黒さの秘密は?」はっきりと遺伝することが判ったところで、その遺伝子がどのように作用するか?これは一部の人にとっては非常に興味深いところなのである。

メダカの遺伝子のVaは黒色素胞が大型になる遺伝子で、Dℓは黒色素胞の黒化を少なくする作用があり、このDℓの潜性(劣性)であれば、逆に黒色素胞の黒化は正常ということになる。そう考えながら、見てきたのであるが、どうやら、“オロチ”の持っている遺伝子はこれまでになかったものと思えるようになってきた。単純に考えれば、「黒色素胞が多い」という遺伝子で、「黒色素胞が顕著で他の色素胞の発色を抑制する」という遺伝子かもしれない。

改良メダカの世界では、「黒ければ黒いほどよろしい」で話は止まってしまうのかもしれないが、もっと“オロチ”の持つ黒色素胞、あるいは他の色素胞への影響を見てみたくなる人もいるのである。(多分)

では、まず、このF2で出現してきたメダカの変化を見てもらうことにしよう。

白い個体である。中里さんは、仮として“HAKU”と呼ぶことにした、狙いのタイプである。“HAKU”とは白のことだが、
グッピーで、ハクホワイトと呼ばれる体色があることから、この呼称をニックネーム的に使っているものである。

こちらも“HAKU”。

こちらは“HAKU”透明鱗ということにしておこう。

こちらは数匹出現したアルビノである。アルビノ因子は白メダカが持っていたというより、“オロチ”にあったと考えられる。

これは“オロチ”から貰った黒さを持った個体である。

青メダカ表現を見せる個体である。黒色素胞が白メダカに移行すれば、青メダカは出てくるのである。

こちらも“オロチ”から貰った黒さを持った個体である。

こちらはスモールアイの“HAKU”である。スモールアイの遺伝子も“オロチ”から来たものであろう。

これらが今回の中里さんの“オロチ”プロジェクトで出現した、“オロチ”×白メダカのF2である。

この“HAKU”と呼んでいるタイプをエクステンションを付けて、さらにアップで撮影してみた。

頭部から体側にかけて、白メダカとは異なる白色素胞の様子が見てとれた!

体側には明瞭で、大きな白色素胞があることが判る。

こちらも白色素胞の様子が見て取れる。

わかりにくいかもしれないが、この“HAKU”では、目の周辺、顎下まではっきりと白色素胞が分布しているのが判った。

中里さん的には、この“オロチ”×白メダカのF2で見えてきたものがあり、このF2で中里さんは次世代を採ることを止められた。「もっと面白く、出現率が高いもの」に水槽を割くためである。

そのため、この中里さんのF2はとても大切なメダカになったため、撮影後、この“HAKU”と“HAKU”透明鱗、アルビノ、“オロチ”から貰った黒さを持った個体だけを残して、次世代を採ってみることにした。もちろん、“HAKU”が雌雄で揃っているので、それだけをインブリーディングすればいいのだが、それと同時にまださらに“オロチ”の血筋を入れた近親交配も興味深いのである。

スモールアイ、青、茶系統の黒さを持つ個体は、インブリーディングには不必要なので、ハネることにした。

さて、F3でこの“HAKU”がどうなるか?楽しみである。

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