野生にいるベタ・スプレンデンスを元に作出された“改良ベタ”。タイを中心に東南アジア各国で盛んに養殖され、大抵の熱帯魚店では扱われているポピュラーな熱帯魚である。水面から直接空気を吸うことができ、それ故少ない水量でも生きられる丈夫な魚でもある。最も普通に見ることができるトラディショナル・ベタや、アメリカやヨーロッパでコンテスト用に品種改良されたショー・ベタなど大きなヒレを持つタイプと、原種の姿に近いヒレがそれほど大きくない“プラカット”などがコンスタントに輸入されている。


単色も多いが、柄物の人気は高い。その姿は1匹ずつ異なっており、コレクション性が非常に高いと言える。お店ではガラスビンや小型水槽などの小さな容器に1匹ずつ収容され、ずらっと並んでいる様子を見ることができる。そこには様々な色合いやヒレを持ったベタ達が美しい姿を見せつけてくれているはずで、気に入った1匹を見つけたいが、目移りすることは必死だろう。今回選んでも、次の入荷時にはまた気になる個体を見つけてしまったりする。そうして改良ベタの沼にはまり、飼う容器が増えてしまうのもお約束と言える。


小さな容器で販売されてはいるが、これは室温が管理され、適切な水の管理がされている専門店ならではの光景になる。自分が飼育する際は、しっかりとした保温器具を用意し、ある程度の水量がある容器で飼いたい。丈夫なベタといえど、小さな容器で水が汚れていれば、体調を崩してしまう。
状態よいオスは容器の水面に泡巣を作る。オスの販売が中心ではあるが、メスが手に入るのなら、繁殖にも挑戦できる。泡巣の中に産卵された卵を、オスが賢明に守る姿を観察できる。

『ベタ・ベースブック』は、エンドレスと言えるバリエーションの一部と、飼育や繁殖に必要な情報など、改良ベタを楽しむための内容を詰め込んだ電子書籍になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA