遅れておりました『メダカ百華第19号』を2024年12月16日より発送開始いたします。

2024年のメダカ界は、楊貴妃メダカがリリースされてから20年目、これまで右肩上がりで歴史を重ねてきた中で、初めて、人気の右肩上がりが弱まった年になったと印象を受けている。

ラメ鱗を持つメダカ、非透明鱗三色、ヒレ長やロングフィン、ワイドフィンなどがリリースされると、一気にその改良に着手しようという動きが活発になって改良が進められてきた中、昨年より、全く新たな遺伝子と言えば、『猫飯』の池谷雄二氏が5月にリリースされたカガミ鱗、『静楽庵』がリリースされた“DW”、有岡麻世女史の“和墨”血統を持つ交配系統、『メダカ屋サバンナ』がリリースされた“オフホワイト”などが挙げられる中、メダカ界全体を揺るがせるような新たな表現は、これまでに出尽くした感があるのが現状と言える。

10年以上のメダカ飼育歴を持つ作り手の方にとっては、「絶対に手に入れたい!」と思える系統がほとんどいなかったのが2024年かもしれない。

しかし、2024年からメダカ飼育を始めようという初心者の参入は例年以上に多く、各地で開催されていたイベントは、どれもそれなりの集客があったのも事実である。ただ、そのイベントでメダカが売れたか?となると別問題で、初心者の方々にとってはハウスネームと価格だけが書かれた札では何のことか判らず、その容姿の美しさと価格が予算内であれば買うという動きが主流で、パッと見で美しさが解りにくいメダカはあまり売れなかったのも各地から聞こえてきている。

今年は、米を始め野菜類の高騰があり、さまざまなものの値上げも顕著であった。ガソリン価格の高止まり、そして今年の夏の猛暑、趣味を楽しむ環境が整わなかった部分もメダカ界に影響を及ぼしたのは間違いない。

そもそも、趣味は「癒し」でやるものなのだが、メダカの場合は「趣味と実益」が手軽に行えるところも魅力だったので、売れる売れないという話しが大きな話題の一つになってしまう部分はいたしかたのないところではある。

20年右肩上がりで来たことが凄いことなのであるが、それが緩やかになったのが初めての経験だったこともあり、先行きへの不安感が一気に噴き出た年でもあった。

「それでは2025年以降は?」、ただ一つ、他の人から欲しがられる、「譲って欲しい」と言われるメダカを作るだけである。

今年の冬は加温飼育を控える人が増えているが、物価高の中、電気代、灯油代をかけてまでやることより、生活を安定させることが優先される経済状況なのだから、それも仕方のないところである。それに本来、金魚、メダカの趣味は冬にオフシーズンがあるからこそ、春から秋まで頑張れるものだったりするのである。

これまでのように、誰かの人気品種を殖やして販売するという短期間で商品ができる方法では未来はない。

時間をかけて、選別淘汰をしっかりとして、他の人から「欲しい!」と言われるメダカを作るだけである。既存品種でも、しっかりと特徴を見せる個体を育て上げれば、まだまだ需要はあるのである。

「品質を上げる」これが2025年の重要なところになっていくだろう。

今回の『メダカ百華第19号』も内容はギューギュー詰めにしてある。この本を冬の間に見て頂き、2025年3月のシーズンスタートに向けて、読者個々のモチベーションを上げていただけたら!幸いである。

このホームページからも個人購入はしていただけるので、上のQRコードの下まで見ていただいて、「カートに入れる」から購入手続きをしていただけたら、翌日発送いたします。

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