優姫×紅緋の交配系統

　滋賀県の『淡海めだか』岸岡氏の進める独特な赤と黒の表現を持つ交配系統

　“優姫（ゆうひめ）”ד紅緋（べにあけ）”の交配から選抜累代されている。“優姫”は、大分県の『めだか屋おおいた』が作るブラックリム系の系統で、頭部中心に鮮やかな朱橙色に染まり、体の後半部が色抜けする姿でブラックリムと朱の対比が目を惹く。“紅緋”は、“川戸系カブキ”や“花魁”の作出者として知られる三重県の川戸博貴氏が累代された透明鱗三色の一系統である。この系統も作出過程でブラックリム血統が導入されており、濃く明るい橙色を持つ特徴がある。

　岸岡さんの作るこの系統も、それらの特徴をしっかりと受け継ぎ、黒みのある体に厚みのある朱橙色が乗る姿になっていた。

　先の個体に比べると朱よりも橙色表現だが、色の厚みがあり、べっとりといった印象を受けた。黒と朱の組み合わせも人気の高い表現である。