透明鱗三色”紅華錦“
茨城県の鈴木健二氏が作る透明鱗三色“紅華錦”
透明鱗三色にひたすらこだわり、職人気質の選別で累代されること十数年、他の血をいれることなく続けられている系統である。
透明鱗三色と呼ばれるメダカは、琥珀透明鱗や朱赤透明鱗に斑模様が入ったタイプが起源になる古くから知られる品種で、透明鱗性の透け感のある体に朱色や墨斑が入ることで三色柄を表現している。一部の色素が欠如したことで、透けたような色合いを見せ、エラ蓋が透けることでエラの赤さが目立ち、ほお紅を塗ったような可愛さもある。後に登場する非透明鱗三色メダカは、幹之由来の透明感のある体をしており、透明鱗三色とは地肌の色合いの表現が異なる。
非透明鱗三色に比べると、黒斑や朱色が薄れたり、白地が埋まってしまうなどしやすい傾向もあり、透明鱗三色は作出の難しい系統とも言える。鈴木さんにしても、毎年、数万という単位で採卵し、最終的な種親として残すのはごくわずかである。しかし、しっかりと作り込まれた透明鱗三色は魅力溢れる姿をしている。