楊貴妃ダルマメダカ
寸が詰まった丸い体形で、チョコチョコと泳ぐ姿は可愛らしい姿をしたのがダルマメダカである。
これはfu遺伝子という脊椎骨を短くする遺伝子によるもので、28℃以上の高水温ではその特徴が現れやすい。そのため、夏場など高水温が続く時に採卵すると、ダルマや半ダルマの個体が出現しやすくなる。朱赤から幹之、三色や透明鱗など、色や模様を問わずほぼ全てのメダカに存在する。その中でも古くから知られる人気品種が楊貴妃ダルマである。
朱赤のコロコロとした塊が泳ぐ様子は見ていて微笑ましい。“初恋”というニックネームでも呼ばれることがあり、その姿とネーミングから古くから変わらぬ人気を保っている。
ダルマメダカは、その体形から産卵行動があまりうまくなく、オスがメスをうまくホールドできずに産卵が成功せず、そのため卵が採りにくいという話がよく聞かれる。そこで「普通体形と半ダルマを合わせた方が卵を採りやすい」ということも言われるが、半ダルマと完全なダルマとでは遺伝子のタイプが異なることがわかっている。そのため、しっかりとしたダルマメダカを殖やすには、完全なダルマ同士で採卵していくことが正しい。産卵がうまくいかない場合は、遊泳範囲を狭くしたり、産卵床を多めに入れて、オスがメスをホールドしやすくするとよい。また、相手を変えるのなら、ダルマのメスに普通体形のオスを交配して、卵を28〜30℃で育成するのもやり方のひとつである。