2021年のメダカ界を見てきて…2 青いラメ1
岡山県美作市にある『静楽庵』がリリースされた“黒ラメ幹之サファイア系”がリリースされたのが、1年8ヶ月前の2020年春のこと、それから一気に「青いラメ」への注目度が上がった。
今春にリリースされたのが、“白ブチラメ幹之サファイア系”である。
このサファイア系、ラメメダカが発展してきたからこそ、出来上がったラメの表現だと言える。
『上州めだか』が作る“紅白ラメ”系の“王華”である。
『上州めだか』が作る“三色ラメ”系の“月華”である。
ここまで背面に幅広くラメ鱗を並べた系統としては、“サファイア系”より早く、『上州めだか』の岡田さんは完成されていたのだが、この“王華”、“月華”である。
“王華”、“月華”は“王華”、“三色ラメ”ד三色ラメ体外光”から作られた系統で、それまでの“三色ラメ”をいくら累代繁殖させても“王華”、“月華”のようなラメ表現にはならなかった。
「それがどうして?」と言えば、もちろん、作った岡田さんの種親の選別が良かったことはあるが、全体的にラメの量が増えたことも大きな要素であった。
この「ラメの量が増えたのかどこから?」と考えると、体外光から来たものという考え方が出てきたのである。
“サファイア系”を最初に見た頃、「“黒ラメ幹之”でも青いラメの個体がいた」ことを思い出された人も少なくなかった。その当時は青いラメを持つ個体より、「虹ラメ」と呼ばれていた、赤、金、青など多色のラメを持つものの人気が高く、どちらかと言えば、青いラメを持つものは種親としては選ばれなかったのである。
それから5年ほどが経ち、“黒ラメ幹之”から“黒ラメ幹之体外光”が作られたり、別では、“琥珀ラメ幹之”から“背びれなし琥珀ラメ幹之”などメダカの改良は日進月歩で進んできたのである。
そして、この“黒ラメ幹之 サファイア系”が2019年に『静楽庵』で誕生したのである。
体外光から移行されたグアニンとそもそもラメ幹之が持っていたグアニンが融合したことでこのような背面から見て幅広くラメが現れる変化をもたらしたのだろう。
“王華”、“月華”、そしてこの“黒ラメ幹之 サファイア系”の登場によって、それまで難解な改良方向である多色の体外光を持つものへの注目が一気にまたラメ系のメダカへと移ったのは2020年、昨年のことであった。
そのサファイア系の青いラメの輝きは、
“白ブチラメ幹之サファイア系”に続き、この“オーロラ黄ラメ幹之サファイア系”
最新リリースとなった“三色ラメ幹之サファイア系”へと移行されたのである。従来の“三色ラメ幹之”では難しいとされていた色柄が明瞭でラメも多く出現することの可能性をしっかりと見せてくれた系統だと言える。
2022年も、このサファイア系の持つ青いラメの輝きは多くの人に楽しまれるだろう。
そして、『メダカ百華第12号』に掲載させて頂いた『静楽庵』の作る“令和黒ラメ サファイア系”はヒレに朱赤色が乗った新たな表現として、2022年リリース予定である。
「青いラメの輝き」は様々な方向からアプローチすることが出来るもので、意外な交配から新たな青いラメの表現を作り出すことを皆さんにも狙って頂きたい。