2021年のメダカ界を見てきて…1
今日は12月25日、来週火曜日に『メダカ百華第12号』の船便で本隊が届くのだが、ここまで年末が押し迫ってからの発送作業は初である(^^;;
このホームページで、まともに文章を書くのも、8月10日以来( ̄◇ ̄;) サボり過ぎである。
昨年同様、今年もコロナ禍での一年となってしまった。取材中心で制作する本の撮影をしなければならないのだが、コロナ禍の中、自分の住む神奈川県横浜から出かけるのは、イメージ的に「コロナウイルスの新規感染者数が多いところ」と思われがちなので、メダカの飼育者の方は良くても、ご家族の方にとっては、他県から知らない人が来るというのは、あまり歓迎されることではなく、昨年に続き、最低限の範囲で動くことしか出来なかった。
1月、養魚場、愛好家取材はさすがに冬にはあまり行わない。撮影のほとんどは自宅での水槽での横見写真である。
今年の1月に撮っていたのは、神奈川県川崎市在住の中里良則氏のメダカが主力で、スパークブルー、ブルージェイなどのリアルロングフィン系統を撮影していた。
リアルロングフィンがリリースされたのは昨年10月からのこと、今年は多くの新たなリアルロングフィンを持った系統が作られるようになったが、それでもまだ、少なめな感じを受けている。
リアルロングフィンは、リアルロングフィンと他の系統を交配すると、F1から半分程度出てくるのだが、それだけでは新たな品種にはならない。せっかく顕性遺伝(優性遺伝)をするのだが、F1で出てきたもの同士を交配して、F2でバラけたものから選別していく方法よりも、リアルロングフィンに掛けた系統との戻し交配がさらに効果的である。
例えば、夜桜を交配したなら、F1で出てきた、幹之血統が薄めなメスを選び、そこに最初に交配した夜桜そのもの、あるいはその夜桜を累代繁殖させたものを戻し交配する方法である。
さらに、リアルロングフィンを交配したF1同士でF2を採り、そのF2と夜桜の累代繁殖個体を交配する方法も効果的である。
多くの人が、異品種交配と言っても、その交配に使った系統の維持は止めていることが多そうである。
「異品種交配で新たな系統を形にするなら、最初に交配した系統の両方も累代繁殖させていく」ことが大切である。
これは何もリアルロングフィンに限ったことではなく、例えば、幹之メダカの体外光を移行しようという改良をする時などでも、元々の系統は完成させるまで維持することが大切である。
今年の1月はかなり寒く、氷もかなり張った。
屋外のメダカの越冬には、今年の年末、来年も厳しい寒さになりそうなので、しっかりと対策をしておきたい。
これは今年1月の(株)清水金魚の初競りの様子である。「2021年が始まるなぁ!」と新年の挨拶をしていて気持ちが高まってくる。来年も始動は初競りからにしようか!?と思っている。
今年は、1月に異例なことだったが、群馬県太田市にある『上州めだか』にお邪魔した。撮影したいのは“月華”の次期種親候補たち!
『上州めだか』が作る“王華”、“月華”に関しては、ずっと見せていただいているのだが、岡田さんの池上げに合わせて行くことになり、今年も何度も撮影に行かせて頂いた。
昨年からコロナウイルスの蔓延に伴って、新たな撮影方法を始めた。魅力的なメダカを作っている方から宅急便等で送っていただき、24時間以内に撮影をして返送するという方法である。
大切な魚をお送りいただくので、十分に注意して魚を扱わせていただいている。撮影させて頂いた写真は、『メダカ百華第11号』、『メダカ百華第12号』で多くの写真を使わせて頂いた。
大切な魚が死んでしまうリスクはあるのだが、協力頂いた方々には感謝の気持ちを持って撮影させて頂いている。
インスタグラムのDMを通じてのこの方法は来年も活用できたらと思っている。
3月からは2021年のメダカ取材を本格化させた。
岡山県美作市にある『静楽庵』である。
岡山県総社市にある『夢中めだか』である。
岡山県岡山市の坂出和彦氏の飼育場である。
岡山県井原市にある『星田めだか』の加温設備である。
この岡山取材を終えて、いよいよ『メダカ百華第11号』の本格的な制作を始めた。
※2021年のメダカ界を見てきて…2に続く…