アオダルマメダカ
普通体形のメダカと比べると、特徴的な体の短さをしているダルマメダカ。コロコロとした見た目は愛らしく、古くから人気のある品種で、最近ではほとんどの品種でダルマ体形のメダカが見られる。
こちらはアオダルマメダカ。ヒメダカ、シロメダカに続く古い品種、アオメダカのダルマ体形である。この個体は、透明鱗三色“紅華錦”の作り手『わくわくメダカ』鈴木さんが作られていた個体になる。「ダルマは息抜きにやっているだけ」とされていたが、しっかりとしたダルマ達が群れていた。一口にダルマ体形といっても、短さのバランスや体形にはばらつきが出るので、しっかりとそうした点も選別して育てることで整った可愛らしさを見せるダルマメダカを作ることができる。
水槽で飼育すると、その短い体でチョコチョコと動くユーモラスな姿を観察できる。一見コミカルではあるが、普通体形のメダカ同様に、ケンカをしたり、求愛したりと様々な動きを見せてくれる。
そうこうしているうちに産卵が行われ、メスが卵を抱えていた。
メダカは繁殖の際に、オスが背ビレとしりビレを使って、横に並んだメスを抱きかかえるようにホールドして産卵、放精が行われる。ダルマメダカでは、その丸まった体のために、このホールドがうまくいかないことが多く、結果、殖えにくいという経験を持つ方も多い。
この時も、お腹近くの卵はやや白っぽく見えており、おそらく受精がうまくいかなかった未受精卵だと思われた。産卵行動としては普通のメダカと同様の動きなので、卵がなかなか採れない場合は、容器を小さくしたり、産卵床を多めにするなどして、オスがメスをホールドしやすい状況にするなど工夫してみるとよい。
受精が正しく行われた卵は、10日もするとフ化が始まる。まだフ化前の発眼卵の横にフ化した仔魚が泳いできた。このサイズではダルマっぽさはわからないが、気持ち短いような気がしないでもない。1cmを超えるまで成長しながらダルマ体形ならダルマらしい姿に変わっていくだろう。