『わくわくメダカ』訪問 ”紅華錦“再チャレンジ
昨年は5月終わりにお邪魔した透明鱗三色“紅華錦”の作り手である『わくわくメダカ』鈴木健二氏の飼育場。ちょうど一年ぶりに、またお邪魔させていただいた。
三度目の訪問であるが、もうおなじみのような鈴木さんの飼育場である。「飼育容器は発泡、産卵床にはホテイアオイ、底床には赤玉土」とされる鈴木さん、ハウス内に並ぶ容器はすべてそのスタイルである。
青々としたホテイアオイが入った発泡容器が数十個と並んでいるのだが、中身のメダカはほぼ“紅華錦”のみである。ハウス外の容器には楊貴妃ダルマやオロチがチラホラと見られたが、それらは息抜き用、メインの品種はあくまで透明鱗三色の“紅華錦”である。
透明鱗三色にひたすらこだわり、職人気質で累代されること13年超、さらによくすることを念頭に取り組まれている。透明鱗三色と呼ばれるメダカは、琥珀透明鱗や朱赤透明鱗に斑模様が入ったタイプが起源になる古くから知られる品種で、透明鱗性の透け感のある体に朱色や墨斑が入ることで三色柄を表現している。後に登場する非透明鱗三色とは地肌の色合いの表現が違うのではあるが、その透け感をより白くするように作り込みを進めているのである。
そして、この時期、ハウス内にはこれだけの容器が並ぶが、その中で1軍親魚が収容されていたのはわずか3つだけ、しかもひとつの容器には20匹ほどしか泳いでいない。他はすべて今年生まれの子供達であった。
ホテイアオイの中を泳ぐ針仔を卒業した稚魚たちの容器
こちらは1cmほどに育ったブチ模様が見えてきた幼魚たち
それぞれの容器には1000匹近い数が収容されており、「質は数から」と、年間3万匹ほどを採られて、そこから一軍種親として使われるのは100匹に満たないというこだわりであった。
そんなこだわりをお聞きしていたこともあり、先日、自分の所で育てた個体は血筋としては“紅華錦”であるが、とてもその名は名乗れずに“透明鱗三色の仔”としていたのだが、それをご覧になっていた鈴木さん、「あれじゃ細いよ、しかもハネばかりじゃない。やり直しだね」と早速のダメ出しをいただいた。室内でのフ化や太陽光などの状況の改善を指摘していただいた。
そんな話とは別に、内輪での“紅華錦”品評会をやろうという話も持ち上がった。参加者は、この日一緒に動いていた『めだかの箱庭』の島田さん、そして当社の森、自分で、秋に育て上げた“紅華錦”を鈴木さんに見てもらうという。
ハウス外の容器に群れる準一軍種親個体たち。ここからそれぞれが個体を選ばせていただいた。ハウス内の一軍達にも負けない個体がいるのだが、これだけいると目移りするというか、だんだんと感覚が麻痺してくる。「これもいいんじゃない? あ、それもいいかも、好みじゃない?」と横からは楽しげな鈴木さんのアドバイス?がプレッシャーになる。
そんなこんなで選ばせていただいたのがこちら
さて、次こそは“紅華錦”が名乗れるような個体作りを頑張らねば。
鈴木さんは『わくわくメダカ』で“紅華錦”を中心に、趣味のホタル情報なども発信されている。
http://kennnomedaka1.seesaa.net/
先日はお疲れ様でした。
肩の力を抜いてお互いの成果発表会くらいの気持ちで楽しみましょう。
コメントありがとうございます。
まずは数を残すこと、そして太みをつけることを最低限の目標に気をつけます。