『岡崎葵メダカ』訪問
愛知県岡崎市の『岡崎葵メダカ』。こちらも何度もお伺いしていたが、今まではすべてシーズンオフや平日など、お店がお休みのタイミングであった。今回はこちらの日程の都合でお店の営業日にお邪魔させていただいた。10時開店のため、9時半頃には到着したのであるが、ほどなくして開店を待つお客さんが集まってきていた。
小売スペースのハウス内。奥のプラ舟に入っているのが販売用の個体で、手前のBOXには種親が入っている。これはどんな親から採っているかをお客さんに見せようというスタイルである。実際の親をお客さんが見ることで、どういうふうにばらけるかなどもわかってもらえるのである。
さすがに営業日、次々とお客さんが訪れる。常連さんに混ざり、初めて訪れたという方も何組かおり、店主の天野さんが「どこで知りました? お目当てのメダカはいますか?」と接客され、探しているメダカの所に案内したり、目標の定まっていない人には、好みの姿ややりたいことなどを聞きながら、品種の提案をされるなど細かな対応をされていた。天野さんといえば、メダカを求めて日本全国の愛好家や養魚場を訪問する「メダカ旅」が知られており、その様子を紹介するブログも人気である。そして、その旅により、様々なメダカが『岡崎葵メダカ』に届くのである。人気品種や最新品種が作出者自身の所から届き、「本物を提供する」ということを心掛けておられ、何品種もの新しいメダカがここから発信されていっている。
作出者のオリジナルを広めると共に、ご自分でもメダカの作出をされており、今回もいろいろと見せていただいた。
こちらは繁殖育成用に使われている大ハウス。一般公開はされておらず、各容器には掛け合わせで育てているメダカや育成される直系メダカ達で溢れていた。今回も、この中の一角で撮影をさせていただいた。
“紅三色カブキ”
“カブキ”の発表から8年、累代繁殖により三色体外光の表現がさらに磨かれている。
“祭”
“オーロラ黄ラメ”からの選抜累代系統
“あけぼのラメ”
小寺義克氏直系からの累代
“マリンブルー”
長岡龍聖氏直系からの累代
“王妃”光体形
垂水政治氏直系からの累代
新たな交配も進められていた。“ブラックダイヤ”ד祭”
独特なラメ表現が見えた。まだF2で、この先が楽しみである。
メダか愛好家を増やすこと、メダかの質を高めること、そしてそれぞれの作出者が作り出したメダかのブランドを守ることもメダか専門店の仕事だと考えておられる天野さん。情報発信をしつつ、お客さんや作出者との関わりを深めながら、ご自身のメダか作りにも励まれる。こちらも次に訪れる際には、また新たな発見があることは間違いないだろう。