『めだか道楽』訪問
午前中の『武州めだか』の後、同じ埼玉県の『めだか道楽』へお邪魔させていただいた。『めだか道楽』の神田さんは、運送業を本業とされており、お店は週末や祝日のみの営業なのだが、たまたまこの日は午後にお時間があるとのことで、寄らせていただいた。
幹線道路に面した場所のハウスが、『めだか道楽』の店舗である。大型ハウスではないが、中には両壁面と中央列にびっしりといった具合に容器が並べられている。使われている容器は小型のものが中心で、中央列の容器は水深のあるタイプである。
どの容器にもエアーレーションが施されており、水が澄みきっている。販売槽で色づいている水の容器はなく、細かな管理がなされていることが感じられた。容器にはペアから多くても10匹程度といった具合にメダカが泳いでおり、どのメダカも生き生きとした泳ぎを見せている。
冬場の加温設備もフル稼働していた。
大型容器全体を温めながら、小さな容器をびっしりと並べている。それぞれしっかりとエアーレーションが入り、すでに幼魚サイズに入った品種も数多く見られた。
『めだか道楽』と言えば、“MDS”である。神田さんが長年、累代繁殖をされてきている幹之メダカの系統で、“Medaka Douraku Special”の頭文字から名付けられている。グアニンが輝く美しいヒレ光の姿が特徴で、昨年秋に初めて神田さんご自身が育てている個体を見せていただいた。その際、“MDS”に“天晴”を交配し、さらに“青蝶(ヒレ長ロングフィンGS)”を交配して進めている“MDSヒカリの舞”も見せていただいたが、今回、さらに代を進めた個体を撮影させていただいた。
ヒレの形状からグアニンの輝きまで、すべてがさらに洗練されており、見惚れる姿に仕上げられていた。現在も、メスの表現までさらに熟成させるように累代が進められている。
また、『めだか道楽』には愛媛県『めだかのビーンズ』からの最新メダカが入荷することでも知られており、関東の愛好家や業者が『めだかのビーンズ』直系魚を『めだか道楽』で購入してきたという話をよく聞く。今回も、話題の“中里リアルロングフィン”の交配系である最新系統が届いていた。
“プラチナ幹之リアルロングフィン”דモルフォ”の交配になる。ヒレの伸張具合やグアニンの輝きなど、両者の特徴を併せ持った優美な姿であった。
『めだかのビーンズ』産の“黒百式”
最近、注目度の上がっているメダカで、側面の輝きや青黒い姿が特徴的である。さすがの作りで、その黒さは非常に濃い出来であった。
他のお店での取材中にも『めだか道楽』はよく出る名前であり、神田さんにお世話になったり、販売や繁殖の仕方などを参考にしているという話も聞き、足繁く通う愛好家も多い。最新系統のリリースと共に、こだわりの累代系統と、見所はたくさんある。訪れてみれば、細かく丁寧な作業で育てられたメダカたちに出会い、神田さんのメダカへの想いが溢れるお店だということがわかるだろう。