『夢中めだか』訪問
前日、『静楽庵』を取材し、向かったのは岡山県総社市、『夢中めだか』のある地域である。駅前に1軒だけあるホテルに泊まったのだが、その前に夢中メンバーとの夕食会。それがまぁ、学生時代、運動部の合宿飯でも出なかったような山盛り圧縮どんぶり飯に、明らかに量のおかしい肉肉肉…
翌日、昼過ぎになっても空腹を感じなかった。
この日は、午前中は『星田めだか』にお邪魔し、昼前に『夢中めだか』へと入った。前日の夜は雷の鳴る激しい雨であったが、この日はなんとか天気は回復。それでも足下は水たまりだらけで、その上に板を渡し、綱渡りのように歩くのも『夢中めだか』ならではである。
訪れる度に光景が変わっている。プラ舟が並んでいたかと思えば、木枠のたたき池になったりと、飼育池の数や規模は増え続けている。果たして『夢中めだか』のメンバーでも中身を把握してるのか?と疑ってしまう様相である。
まだ冬季休業中ということもあり、屋外の容器は淡く色づき、ひっそりとしていたが、グリーンウォーターの中にはメダカ達の姿が見える。4月のオープンにはしっかりとしたメダカ達がお目見えするだろう。これだけの数の容器、なにが入っているのか探すのも玉手箱的な楽しみかもしれない。
それでも加温ハウスの中は、汗が噴き出す暑さである。この日も陽が差してきたら、あっという間に30℃を超えていた。
こちらのハウスは主に採卵に使われていた。これでもかというくらいに容器が詰め込まれている。ハウス内全体を温めてはいるが、さらに大型容器にヒーターを設置し、その中にペアや繁殖グループの入った小型容器を並べている。
様々なペアがセットされ、異品種交配なども盛んに行われている。どんなメダカがここから生み出されていくのか、ある意味宝箱である。
『夢中めだか』と言えば、小寺義克氏である。小寺氏作出の“陽炎”、“金色夜叉”など直系を累代している。
白容器で採卵していたため、墨が飛んでしまっているが、しっかりと特徴を意識して管理されている。
こちらは垂水政治氏作出の“グリーン”
光体形にしながら、しっかりとロングフィンの特徴を見せている。
もちろん、オリジナル品種にも力を入れている。
ハウス内には、“凛華”紅白の幼魚がいくつもの容器に群れていた。ここから選別作業が進められ、シーズンを迎えることになる。
他にも話題の中里リアルロングフィンとの交配も何系統も進められていた。この日もシーズンオフでもあるが、東京や群馬からという熱心な方々が訪れていた。直接見たいと思わせる存在なのだろう。「メダカ好きな人を増やしたい」という方針の『夢中めだか』、ベテランから新人まで、今年も注目度の高い場所であった。