遺伝すれば面白そうなメダカ
清水金魚の競りにお邪魔した際、「ちょっと変わったのいるんですが」と、バックヤードで見せていただいたメダカである。
ぱっと見は薄黄の体色に黒斑を持つようにも見えるが、この黒みは体の中のが透けて見えている。内臓を包む内膜付近だけでなく、脊椎骨に沿ったり、頭部や体の方まで黒みがあり、ヒレにも部分的に色が入っていた。
横から見ると、透け具合がよくわかる。さらに体側には青っぽいグアニンの輝きも確認できる。こうした点は黒百式など、全身体内光系の特徴と被るものではある。
黒バックにしてみると、体側には微小な白い色素の斑点が散在しているのが見えた。頭部など透けた黒みの上に散らばっているのもわかる。
複数の品種が入っていた、いわゆるミックス槽から見つかったもので、意図的に作出されたものではないため、残念ながら正確な血統は不明である。先の特徴から、体内光メダカの血は感じられるという程度ではある。ただ、幸いなことに同じような特徴を持つ個体が複数見つかり、雌雄が揃っていた。
こちらはメス
ヒレに色はないが、体内前半部には黒みが広がり、脊椎骨に沿った黒みも持っていた。
それぞれの特徴が遺伝するかどうかはまったくわからないが、同じような雌雄が揃ったことで交配には挑戦できる。無事に卵が採れ、成長した姿を見せていただくのを楽しみにしている。