中里良則氏の次なる新たな表現、ロングフィンを持つ幹之
昨日、私は慌てて、神奈川県川崎市在住の中里良則氏宅に訪問させて頂いた。
慌てた理由は… 衝撃の表現を持ったメダカが…
この中里氏のところで累代繁殖されてきた、“幹之S”から出た、これまでになかったロングフィン表現を持ったメダカである。
「ロングフィン」と言えば、
垂水政治氏撮影
愛媛県西条市在住の垂水政治氏の“垂水ロングフィン”が今年、大ブレイクしているのだが、
中里さんのロングフィンは、胸ビレ、腹ビレ、背ビレ、しりビレ、そして尾ビレ、全てのヒレが大きくなる特徴を持っているのである。
この写真から、尾ビレが大きいことが見てもらえるだろう。
ちょっと体形に曲がりがあるのだが、実は中里さんのところには、もう一匹、ピシッとした体形の個体がいたのだが、採卵のために目一杯使われた疲れからか、落ちてしまったそうである。
5ヶ月経過の個体である。軟条も多少は伸長しているのだが、ヒレそのものが大きくなってこの姿になっているのである。解りにくいかもしれないが、胸ビレも伸長している。
その子供たちである。生後1.5ヶ月、約2cmの個体である。
既にヒレが大きくなっているのがお解りだろう。
今の段階ではメスにはこの特徴は見えていないが、このヒレが大きく伸長する特徴は確実に遺伝している。
上見である。
現在、中里氏はF2を作る繁殖をこの水槽でやっておられる。
今が8月なので、11月にはF2がしっかりと育ってくることだろう。
上が親魚、下が2cmサイズの子供である。
この中里氏の新たなロングフィンが今後のメダカの改良に大きく貢献することは間違いないだろう。この後の展開が楽しみである。
さて、インスタグラムで先出しした別系統が
この中里氏の幹之と“ブルーライト”を交配したF3である。
ハウスネームを“ブルージェイ”とさせて頂いた。“ブルージェイ”は、大リーグ、トロント・ブルージェイズでも知られるアオカケスという鳥の英名である。

A Blue Jay perched on tree branch.
これがブルージェイである。
“夢ラメ一周光”、“ドラゴンブルー”、“ブルーライト”など、幹之の光体形から改良された系統はいくつか知られているが、この中里氏の“ブルージェイ”は何より、持っているグアニンの厚み、質、量が凄いのである。
こちらは、中里氏が進めている、“プラチナ”に“星河(青ラメ幹之)”を交配した個体群である。
こちらは、中里氏の十八番の幹之である。60cm水槽に3000匹が飼われている景観はいつ見せて頂いても圧巻である。
“ブルージェイ”、“プラチナ”そして、何より、中里氏の新たな“ロングフィン”…
“ブルージェイ”は10ペアだけが先行で、広島県福山市の『栗原養魚場』で泳いでいる。
これから“ロングフィン”、“プラチナ”がリリースされる時を待っている。
『メダカ百華第10号』では、もちろん、中里氏の“ロングフィン”、“プラチナ”そして“ブルージェイ”をしっかりと掲載予定である。