メダカに与える餌として、手軽に与えることができ、メインにもなっている人工飼料。
各メーカーから様々な種類の製品が販売されている。動物質や植物質など、様々な原材料を混ぜて作られており、栄養バランスや保存性、使い勝手のよさ、メダカの大きさに合わせて粒の大きさを選べるなどの特徴があげられる。
メダカの口は上向きについており、水面の餌を食べやすいようにできている。そのため、人工飼料も浮上性のものが中心で、しばらく浮いて、徐々に沈むようにも調整されている。
人工飼料を水面に蒔くと、健康なメダカであれば、すぐに反応して食べに集まってくる。人の動きに驚いて散ってしまうこともあるが、すぐに食べに戻ってくる。そんな様子を観察しているのも楽しいものである。
稚魚用のパウダーのように細かいものや、体色を鮮やかにする色揚げ用の製品などがある。メダカのサイズや種類によって、何種類かの人工飼料を用意するとよい。非常に多くの製品があるので、自分なりの配合をしり、レシピを考えてみるのも楽しい。
ただし、栄養価が高いということは、それだけ水の汚れも進めてしまうことになる。特に与えすぎなどで、食べ残しが多くなると、それだけ水質悪化も進むので注意が必要である。
水面に蒔いた人工飼料は、始めは浮いているが、しばらくすると沈む。
食欲旺盛なメダカたちであれば、与える量が少なければ水底に沈む前に食べきってしまう。最初は少な目に与えてみて、食べきる量をつかむようにしたい。しばらくしてから見てみて、こうのように多く沈んでいるようであれば、与えすぎである。
また、餌を与えてもすぐに水面に食べにこなかったりと、反応がよくない時は、飼育環境に関しても注意したい。4月になり、気温も高くなってきたが、まだまだ寒の戻りのような時もある。日中は20℃を超えても、明け方には一桁台まで冷え込んでいることも多い。朝イチに餌を入れても、水温が低いと食べに来ないことも多い。天候が崩れる前など、気圧の変化によっても食いが悪くなったりもする。単純に日々の汚れなどにより水質が悪化しており、メダカの活性が落ちている場合もある。普段元気に食べているメダカたちが餌を残すような時には、なんらかの原因があるため、追求するようにしておきたい。
機械的に、朝、餌を入れるだけで出かけるなどして、その後を観察していないと、食べられなかった餌が大量に残っていることもある。気温がさらに上がる時期には、夜までに水質を急激に悪化させていることもある。餌を入れた後は、食べっぷりを確認するくらいの余裕は欲しいものである。残り餌が目立つようであれば、速やかに取り除いたり、水換えをするなどして対処したい。
残った餌がカビ状に覆われ、水底に残っている状態。水の状態によっては数日でこのようにもなる。気づかずに餌を入れ続けていれば、さらに汚れを蓄積し、重大なダメージをメダカに与えることにもなる。汚れを取り除くというより、メダカを掬いだし、容器をしっかりと洗って水換えをするなどして、環境をよくすることでメダカの食欲も戻る。綺麗な状況になったメダカたちは、活発に泳ぐようになり、餌も元気よく食べるようになる。しっかりと日々の観察を行うようにしたい。