房総らんちう会 第8回品評大会
台風15号で甚大な被害を受けた千葉県。その復旧もままならないうちに台風19号により、さらなる被害を被ったのは記憶に新しい。その地元である房総らんちう会のメンバーも、やはり被災された方もおり、水害を免れたとしても、停電によって魚を落としてしまった方もおられた。
それでもこの第8回品評大会には、いつも通りの大勢の会員が集まった。大渕会長の挨拶にも「被害を受けた人も多いが、こうして無事に集まることができた。今日は楽しみましょう」という言葉通り、笑い声の飛び交う楽しい1日となっていた。
房総らんちう会の行事は、昨年までは富津港で行われていたが、今年からは茂原の君塚駐車場へと会場が変わった。
広々とした場所で、横には百台を超えても駐車できるスペースがある。前の会場は海際ということもあり、風が付き物であったが、ここならその心配もない。この日は天気が微妙で、朝、横浜を出て途中までは雨が落ちていたが、開催中は止んでくれ、終わる頃になって降り出したというタイミングに恵まれていた。
売り立ての後、受付が開始される。
受付時に写真確認が導入され、しっかりとチェックが行われる。手間と思われるかもしれないが、こうした確認をすることで、魚の間違いのなく、撤収もスムーズに行われることになる。
やはり例年に比べると出陳魚の数は少なかったが、持ち寄られた魚たちはしっかりと飼い込まれた姿を見せていた。
親魚審査
親魚 東大関 野嶋隆一氏
親魚 西大関 横山拓生氏
二歳魚審査
二歳魚 東大関 横山拓生氏
二歳魚 西大関 柏野真一氏
当歳魚審査
当歳魚 東大関 作本守聡氏
当歳魚 西大関 作本守聡氏
番付が決まり、魚が並べば魚談義で盛り上がるのはどこの会でも同じである。
気になる仲間の魚だったり、自分の魚についてだったりと話題は尽きない。
で、最後の表彰式が日が暮れかけた頃になるのはこの会のお約束である。
薄暗くなっており、雨もぱらついてきていた。開催中でなくてよかったと胸をなで下ろしたものであった。
「被害は受けたけど、こうして皆が無事に集まれてよかった。物が壊れたり、魚が死んだりもしたけど、人が無事だったのがなによりだった」こんな声が聞かれていたが、皆さんがいつも通りに笑顔で過ごしていたのが印象的であった。被害を受け、復興を待つ人もまだまだいるが、こうした仲間との集まりが、被災によって張りつめていたところへの息抜きになればと願った1日でもあった。