食虫植物 モウセンゴケ観察
食虫植物というと、南国のようなイメージを受けることもあるが、日本にも自生している種類がある。もちろん、ハエトリソウやウツボカズラといった種類はいないのだが、粘着式で獲物を捕らえるモウセンゴケの仲間は日本各地で見ることができる。
初めて出会ったのは沖縄の地。
園芸店で見たりと、知識としてはモウセンゴケのことを知っていたが、実際に目にした時にはちょっと驚いたものだった。
ここで見たのはコモウセンゴケという種類。林道の壁にびっしりと生えていた。
陽の光が燦々と当たる赤土の壁の表面は水が流れていたりはしないのだが、土中には水分があるのだろうか、なんとなくしっとりはしている。ただ、あるところには相当な株数があるのだが、それこそ数m進んで少し道を曲がったりすると、そこの壁には全然なかったりする。ちょっとした陽当たりの加減や風の通り具合によって変わるようであった。
こちらは尾瀬の湿原
おなじみの木道がどこまでも続く。そのすぐ脇に、下草に紛れるようにしてモウセンゴケの赤い色が見え隠れしていた。
ここも木道の周りはぱっと見同じようだが、どこにでもあるわけではなかった。コモウセンゴケがモウセンゴケよりも小型なことから名付けられているが、それほど大型とは思えない部分もある。地表に這うようなコモウセンゴケに比べ、葉の柄が立ち上がるような姿になる。
こちらは長野の高原にて。
コケモモやミズゴケに半ば埋まるようにしてモウセンゴケはあった。
シダなどが生い茂るような場所であるが、部分的に開けたところで見られた。この辺りも陽当たりが関係しているのだろう。
そして愛知の湿原。
湿原といいつつも、場所によっては水たまりのようになったり、逆に乾燥気味になっていたりと環境はさまざまであったが、それぞれの場所で見られた。
これはトウカイコモウセンゴケ。コモウセンゴケに比べて、葉の柄がしっかりとしている。
湿り気のある湿原はモウセンゴケの好む環境ではあるのだが、乾燥気味な意外な場所でも見られることもある。今の時期なら、しっかりとした株の姿に育っているだろう。野外へ出掛けた際に、ちょっと気にして見てみると発見できるかもしれない。