長く続けると言うこと…『メダカ交流会in愛媛』倉敷支部長、木口秀清氏のメダカを見て思うこと

今年、『メダカ交流会in愛媛』の倉敷支部が立ち上がり、その支部の支部長を務められることになった方が、岡山県総社市在住の木口秀清氏である。

木口さんの飼育場については、色々な人のブログで見ていたのだが、「個人レベルでは最高の環境を整えた愛好家の方だな」と思っていた。

木口さんは、若い頃にはオーディオを趣味とされていたそうで、スピーカーにアンプにと高価なオーディオ機器を揃えて、ジャズなどを聞いておられたそうである。生物の飼育では、クリスタルレッドシュリンプ、そしてグッピーなどを飼育されていたそうである。

木口さんがメダカに出会われたのは22年前だったと言われる。岡山建部にある『めだかの学校』で、ヒメダカ、青メダカ、スノーホワイトと呼ばれていた白メダカを見たことだったそうである。

メダカの本格的飼育を始められたのは、17〜18年前だったそうである。

木口さんの凄いところは、気に入って入手したメダカをずっと飼育、繁殖し続けてこられているところである。次々と新しい表現のメダカがリリースされる中、木口さんは「我が道」を歩んでこられたのである。

この内膜がボーッと青味を見せるメダカは、木口さんが透明鱗と幹之を交配したことから出てきたものだそうだ。

木口さんがご自身の名刺にも使われておられるこのメダカは透明鱗と体内光を交配したものの中から出てきたものだそうだ。

この“紅帝”、木口さんは楊貴妃と書かれておられたが、9年ほど、広島県府中市にある『金龍さつき園』の系統をそのまま9年維持されているもので、「これぞ!」という朱赤色の赤さと厚みを見せていた。

こちらは、透明鱗性の幹之系統の一匹である。両頬は透けてエラが見えている個体だが、体外光を持っている。今日の多色のメダカの体外光に比べると目立たない存在かもしれないが、このメダカが持つ可能性は興味深い。透明鱗+体外光、これって見たことあります?

これが、木口さんのオリジナルとなるメダカたちである。木口さんはハウスネームを付けられない方で、この黄色味を持った個体は、木口さんが最初から繁殖させてきた黄色っぽい透明鱗を使って、インブリーディングしたものをタイプ分けしたものから、体内光と交配したもの、女雛×小川ブラックの交配から出てきた黄色っぽいものまで、様々なタイプをそれぞれの飼育池で飼っておられたのである。その各タイプの詳細は『メダカ百華 第7号』で紹介させていただく。

ちょうど、黄色というメダカの色合いに興味を持っていた自分にとっては、どれを見ても面白く、興味深いメダカたちだったのである。

「何故、透明鱗だったんですか?」と木口さんに尋ねると、「透明鱗をやってきたから!」という明快なお答え、この透明鱗も木口さんがベテランのメダカ愛好家ならご存知の群馬県の『メダカハウス』から入手したのが最初で、数が少なくなってしまったところで、黒色の透明鱗ばかりが残ってしまった。それを他のメダカを木口さんが掛け合わせたものを、現在、累代繁殖させておられたのである。

これは木口さんがお持ちだったプリントを撮影させて頂いたもので、この魚が木口さんの黄色と黒色のメダカ作りのきっかけになった写真だそうだ。

昨年、建てられたハウスも、今年はフル稼働することだろう。

これだけ多くの飼育容器をお持ちの木口さんだが…

このファイルに全てのメダカの交配記録が書かれており、「どの池に入っているメダカがどんな交配によるメダカか?」がすぐに判るのである。

多種多様なメダカが溢れるようになった今日、木口さんのように、文字通り「初志貫徹!」で黄色、そして黒色を追求し続けたメダカは解りにくいかもしれないが、こういう独自の楽しみ方も大切なことである。そして、交配記録をずっと残されていること、これもこれからメダカを飼われる方には少しでも真似してもらいたいところである。

『メダカ交流会in愛媛』の倉敷支部長でもある木口さん、垂水会長の作った“女雛”を使って、黒ラメ幹之との交配で新たな表現のメダカ作りも新しいハウス内で実践しておられた。

“黄色と黒色”、“透明鱗”、木口さんの今年、作られるメダカも是非、再訪させて頂いて、見せて頂きたいと思った。

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