路地でメダカ屋外飼育

次々と新たな品種が紹介される改良メダカ。それぞれの色合いや模様など、どれも魅力的で、メダカ愛好家としては飼育している品種数はいつのまにか5、10といった具合に増えていくものである。ただ、問題になるのは飼育容器。ただ飼うだけなら入手したメダカをどんどんとひとつの入れ物に追加していけばいいが、そうした飼い方をする人は意外と少ない。
メダカの魅力のひとつに、繁殖が簡単ということがある。健康なオスメスが揃っていれば、ほぼ間違いなく産卵し、稚魚を得ることができる。そのため、ひとつの容器には1種類のメダカを入れるようにしておかないと、無作為な繁殖をすることになってしまう。そうした中から変わった個体が得られることもあるかもしれないが、やはり交配させるなら、きっちりと両親がわかる状態にしたい。
そんなことから、多くの愛好家は種類数だけ容器を用意し、殖えたら殖えたで卵や稚魚用の容器も必要になる。この悩ましさはどの愛好家も持つものだろう。そして、特に都市部の方では、ベランダやお庭などを有効利用されているのを見ることができる。

今回お伺いした増田さんは、道路からご自宅へ入るまでの路地を有効利用されていた。

単管パイプで二段組にしたスペースは黒のNVBOXをきっちりと並べられていた。13リットルということで、ひとつの容器には親魚ならば10匹程度までにされていた。今後は夏場の高水温への対策などから、エアレーションの配管も予定されるなど、設備は現在進行形である。

各容器にはカキ殻や赤玉土をカゴにいれて、水質維持に用い、スポンジで雨対策もされていた。屋外の飼育槽ではこうした対策の他に、猫や鳥などの獣害もある。そのための網蓋かと思いきや、昨年はヤゴの侵入にやられたそうだ。編み目が大きいと、いつのまにかトンボが産卵しているので注意が必要で、より細かな網蓋が対策になる。

飼育されているメダカは、親しい「うなとろふぁーむ」産が中心であった。
火輪(かりん)

三色ラメ幹之由来のメダカで、お気に入りのひとつ。いち早く導入したもので、しっかり作り込みたいとされていた。

黄色幹之

バリエーションの多さが魅力の品種で、面被り模様や全身に色が入るものなどがおり、いずれは体外光載せもと計画されていた。

まだ今は他品種の交配は考えておらず、品種ごとに突き詰めていきたいとされていた増田さん。それでも稚魚用の容器はどうしても増えていく。産卵シーズンになるこれからは、ホテイソウに産み付けられた卵を分ける容器が山積みになるそうだ。見た目の良さから鉢も使われていたが、今後は水量の入るジャンボダライに置き換えたりしたいとも考えておられた。ただ、お仕事もあることから、殖やしすぎても手が回らなくなるので、その兼ね合いも悩ましいとのことであった。

路地に容器と言えば、先日お邪魔した間中さんも同じように路地にパイプでアングルを組んでメダカを飼育されていた。

らんちゅうや東錦といった金魚をメインに楽しまれており、金魚用の青水を作るためにメダカを飼育されていたのが、次々と出てくる改良メダカの姿に魅了され、やはり飼育容器が増えた方である。
比較的大型のプラ舟を使っておられ、エアーなしの青水管理が中心となっている。パン屋さんというお仕事柄、明け方から夕方までは世話ができないのだが、そこはメダカの丈夫さに助けられているそうだ。間中さんも今は掛け合わせよりも追求型で楽しまれている。

幹之

小学校の自由研究でメダカをしたほど古くからのつき合いであるが、やはり幹之の出現は驚かれたそうだ。長く累代されており、いつのまにか口先まで体外光が伸びた姿になっていた。

白幹之ラメ

星河から白体色のものを選別して固定されていた。

水晶

「安房めだか園」の品種で、クリーム系ヒカリメダカのラメタイプだが、間中さんの累代個体では、緑がかった発色を見せるようになっていた。

掛け合わせで新品種を作ることができるのもメダカの楽しさであるが、ひたすら累代繁殖することで、より洗練された進化や思わぬ変化を見せるのもメダカである。いずれはお二人ともそれぞれの進化の先には、交配によるオリジナル作りへとつながるのかもしれない。ただし、必然的に容器も増えるのがメダカ飼育の悩ましいところである。

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