光体形のメダカを繁殖する。 1. 楊貴妃光×紅(楊貴妃透明鱗光)

一月から、室内水槽を使って、思いっきり楊貴妃光×紅(楊貴妃透明鱗光)の採卵をした。

二ヶ月半がたち、ようやく幼魚たちが2cmサイズに達してきた。60リットルの水槽で飼育しているのだが、少々、過密気味で飼育していたので、成長速度は遅いが、現在のところ500匹は泳いでいる。

光体形のメダカは、脊椎骨(背骨)が曲がる奇形が出やすく、それを理由に光体形のメダカを好きではないという人も少なくない。

それを直すことも、メダカを繁殖させる面白さである。

500匹が泳いでいるのだが、日々、脊椎骨が曲がっている個体を20〜30匹ずつハネている。

こういった脊椎骨が曲がった個体をハネるのである。この手の脊椎骨の奇形はほぼ確実に子孫に遺伝するからである。

半ダルマに近い体形だが、この尾ビレの付け根付近の脊椎骨の曲がりが直しにくい奇形である。これも当然、ハネる。

このS字に脊椎骨が曲がったものも出やすい。もちろん、ハネる。

この個体も脊椎骨が微妙に曲がっている。

こちらの個体はハネずに残す個体である。

上の2匹を見比べていただければ判るが、この上の個体をハネるか?と言えば、私は数を必要としないので容赦なくハネる。

しかし、この程度の脊椎骨の奇形は普通に売買されている。これを奇形という人もいるだろうが、光体形のメダカを購入する時には、この程度までは私個人としては許容範囲、この魚を元にして、直していけばいいのである。

光体形のメダカは孵化したての針仔から1.5cmサイズに育てるまでの給餌方法も奇形を出さないために重要である。

給餌の方法だが、抽象的な言い方しかできないのだが、「毎日、多過ぎず、少な過ぎない量の餌を与える」ことである。

針仔が生まれると、飼育者は少しでも早く成長させたくなる。それが餌の与え過ぎにつながる。1日に与える回数も「やれる時は何回も!」と思ってしまいがちである。

早く育てたいのはわかるが、日々の給餌量の多少、その差が光体形のメダカの奇形の出現率を高めるのである。

逆に、「昨日は与えなかったので、今日は多めに…」というような日々で与えたり、与えなかったりする飼育は、確実に奇形の出現率を上げる。これは自分の経験に基づいたもので、科学的なメカニズムはわからない。しかし、対照区を作って同じ時期に採れた卵を二分して、一つは給餌量をコンスタントに、もう一つは給餌を一日置きにしたところ、後者は9割近くが奇形になった。

それからはもちろん、日々の給餌量は目分量なのだが、「与え過ぎないように、コンスタントに!」を心掛けて、光体形のメダカだけでなく、普通体形のメダカも育てるようにしている。

そして、何より、種親として入手した光体形のメダカからは、「出来るだけ多くの卵を採る」ことが大切である。
光体形のメダカは、採れた稚魚から奇形が全く出ないということはない。どれだけ注意をしていても10〜20%ほどの奇形は出てくる。

これは同時に出てきた、光ダルマである。

このダルマの遺伝子を持っている系統では、さらに奇形が出る率は高くなりがちで、25%は奇形が出てくるのが普通である。

それを見越して、最初からなるべく多くの卵を採ることである。
100匹の稚魚を得たなら、75匹は奇形ではないメダカを得られるし、200匹の稚魚を得たなら、150匹は奇形ではないメダカが得られるのである。

それにもう一つ、大切なことは、稚魚の育成容器は緩やかでもエアーレーションをすることである。

さすがにこの数を飼育しているので、自分の飼育環境はエアーレーションは強めである。「エアーレーションは稚魚の育成には不適である」と、うそぶく人もいるが、それはメダカの天然での飼育環境を知らないか、エアーレーションをして稚魚を育てたことのない人であろう。

そして、稚魚こそ水量の十分な広めの育成容器で育てることも重要である。1リットルも入らないような小さな容器でしっかりと幼魚を育てることはかなり難しい。「稚魚は小さいから、小さな容器でも構わない」と思うのは落とし穴である。

今回、東天光と紅を交配したのは、美しい紅を作り直したいからで、紅はオスでは美しい個体を得やすいのだが、今は体形の良いメスを入手することが年々難しくなってきているので、作り直しをしようとしてのことである。

これからもまだハネる個体は100匹ほどは出るだろうが、それでも300匹ほどは残せる。

その中から紅の作り直しに適した雌雄を10ペアほど残すつもりである。

光体形のメダカを奇形が出やすいからと毛嫌いせずに、是非とも美しい個体をあなたの手で育て上げて頂きたい。

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