ブラックダイヤ
“ブラックダイヤ”は、漆黒の体色で知られる“オロチ”に、幹之の作り手であるブリーダー中里氏が自身の“星河”(青ラメ幹之)を交配して作出した品種で、今年早春からリリースされた。その姿は見ていたが、先日、その流通を少し覗いたこともあり、若い個体を中里さんからわけていただき撮影した。
両品種の特徴をしっかりと受け継いだもので、リリース当初から大きな話題になったのは記憶に新しい。今回、観賞魚卸から小売店へと動く様子を見ていた。
改良メダカといえば、多くは上見で鑑賞するスタイルになっている。しかし、この“ブラックダイヤ”、他のメダカのように黒い容器で上から見ると、保護色のようにほとんど溶け込んでしまう。
少し明るめにしてもこの程度。その特徴である体側のラメを楽しむためにも、上見よりも水槽での横見で楽しみたいものだと思えた。
特に黒体色の改良メダカでは、屋外で日光に当たっていないと体色が薄れてしまうことが多いのだが、中里さんの“ブラックダイヤ”は室内で累代繁殖されており、それでいてこの黒さは成長と共にさらに濃くなっていく。そうしたところも水槽飼育向けだと言える。
白い容器に入れていても、その漆黒さは変わらないものであった。
鑑賞魚店、特に熱帯魚専門店の方と話していると、この“ブラックダイヤ”も他の上見でのブラック品種と同じと思われていることが多く、横から見ることでのラメや蛍光灯下の水草水槽などに入れることで、より魅力的になるといった会話をしていた。そうした話しをして、改めて横から見てその美しさを再認識している方も多かった。
メダカ業界ではメジャーな存在になっている“ブラックダイヤ”だが、まだまだその魅力は多くの人に広がるだろうと思えたものだった。